2009-01-01から1年間の記事一覧

頭皮のなやみ

[エッセイ 252](新作) 頭皮のなやみ 昨年の夏ごろから、頭とくに後頭部が痒いと感じられるようになってきた。痒さとともに、フケもたくさんでるようになった。うっかり引っ掻いたりすると、小さなカサブタが爪の間にくっついてくることもある。湿疹でも…

タイガースファン

[エッセイ 23](既発表 6年前の作品) タイガースファン 先日、埼玉県に住む古い友人と、お互いの近況について電話で語り合った。彼は、その翌日甲子園球場に試合を見に行くとはしゃいでいた。試合とはもちろん阪神対巨人のことである。彼は、阪神が絶好…

腰痛

[エッセイ 66](既発表 5年前の作品) 腰痛 近ごろ、私の仕事仲間にも腰痛で苦しんでいる若い人が多い。生活が豊かになり、みんなひ弱になってしまったのだろうか。もっとも、ひとのことをとやかくいえる柄ではなかった。 20年前、私もひどい腰痛に悩ま…

日食

[風を感じ、ときを想う日記[(285)7/23 日食 「これから新幹線で高崎まで行けば、日食に間に合うかもしれない」「私は行かないわよ」「ジョウダンだよ!」。朝食のとき、天気予報を見ながら交わした夫婦の会話である。 この日、関東のお天気は曇り時…

槌音

[風を感じ、ときを想う日記](284)7/21 槌音 昨年秋、近所の宅地造成工事についてエッセイに書いたことがある。ある通信会社の社宅のあったところで、鉄筋コンクリート造りの中層住宅が4棟建っていた。土壌汚染が見つかって土を入れ替えたり、擁護…

定期健診

[エッセイ 24](既発表 6年前の作品) 定期健診 私の左腕の内側は、一週間前から青紫に変わったままである。血液検査のために採血した際、看護婦がちょっとしたミスで軽い内出血を起こしたためである。べつに痛くはないが、このシーズンは半袖で出かける…

プレミアム商品券

[エッセイ 251](新作) プレミアム商品券 「あれ?ここでも使えるんだ!」。この地域では、2軒の商店しか使えないと思っていたプレミアム商品券が、実は近所のスーパーでも使えることがわかった。たしかに、その店には「商品券取扱店」という表示があっ…

水害

[エッセイ 65](既発表 5年前の作品) 水害 この13日から14日にかけて、新潟県の中越地方と福島県の会津地方の水害で大きな被害を出した。この2日間で、降雨量が500ミリにも達したところがあったという。被害が大きかったのは、中之島町、三条市…

スズメのコロニー

[風を感じ、ときを想う日記](283)7/15 スズメのコロニー わが家の最寄りの駅前は、小さな広場になっている。それを取り巻く歩道と中央のロータリーには、ケヤキの大木が植えられている。駅の出入口の両側にも一本ずつあり、両方から通路を覆うよう…

南紀の温泉

[エッセー 250](新作) 南紀の温泉 紀勢本線が全線開通したのは昭和34年(1959)7月15日、いまからちょうど50年前である。本線と名のつく幹線にしては、ずいぶんと遅れてやってきた鉄道である。 もともと観光地の多い南紀であるが、紀伊半島…

梅雨の合間に

[風を感じ、ときを想う日記](282)7/13 梅雨の合間に 先月の18日、甲山会という高校同窓生のゴルフコンペに参加した。そのとき、これでゴルフは秋までお預けにしようと思った。これから先、梅雨は最盛期に向かう。雨にたたられるか、降られなけれ…

本地垂迹説って?

[風を感じ、ときを想う日記](281)7/11 本地垂迹説って? エッセイ「高野山」を書くにあたって参考とした資料を紹介する。 [神職の友人が提供してくれた本地垂迹説の解説] 仮の姿云々は周知のこととして、垂迹とは日本の衆生を救済するためにこの世…

写真館

[エッセイ 64](既発表 5年前の作品) 写真館 6月下旬、ニューヨークにいる長男のお嫁さんが、2人の女の子を連れて一時帰国した。昨年2月に成田を発って以来1年半ぶりの再会である。3歳半になる上のおねえちゃんはすっかり大きくなり、言うこともや…

高野山

[エッセイ 249](新作) 高野山 神道と密接な関係にあるはずの天皇家のお墓が、高野山の「奥の院」にあるのはなぜだろう。大きなお墓に、鳥居が建てられているのもここでは珍しくない。そういえば、今上天皇の孫に当たる秋篠宮悠仁様の個紋に、高野山特産…

七夕まつり

[エッセイ 63](既発表 5年前の作品) 七夕まつり 平塚の七夕祭りが始まった。国道1号線と並行して走る商店街に、豪華な竹飾りが並ぶ。素材はプラスチック系が主流で、その時々の流行や風俗を敏感に反映した飾り付けになっている。戦後間もない昭和25…

仙台OB会

[エッセイ 248](新作) 仙台OB会 かつて、仙台の支店に勤務したことのあるOBが、市内のホテルに集まった。地元に住んでいる人が14名、遠くから新幹線に乗って泊まりがけでやってきた人が16名、全部で30名が揃った。私にとっては28年ぶり、も…

二羽の山鳩

[エッセイ 247](新作) 二羽の山鳩 一度営巣に失敗したあの山鳩たちが、いつの間にか舞い戻っていた。同じ梅の木の、同じ場所に巣をつくりはじめた。戻って間もなく、そのうちの一羽が巣に座った。 それにしても、もう卵を産んだのだろうか。前回、抱卵…

大英博物館

[エッセイ 101](既発表 4年前の作品) 大英博物館 入場者が、ミイラの前でつぎつぎと記念写真を撮っている。あとで、立派な心霊写真に仕上がることであろう。私は、ミイラの数の多さとその異様な雰囲気に圧倒され、足早にその場を離れていった。 ここ大…

熊野古道

[エッセイ 246](新作) 熊野古道 轟音とともに流れ落ちる日本一・落差133メートルの大滝は、神秘としかいいようがない。古代の人々は、そこに神の姿を見て御神体と崇めた。それをお祭りする熊野那智大社は、467段の石段の上にあった。すぐ隣の青岸…

昼間の一番長い日

[風を感じ、ときを想う日記](280)6/21 昼間の一番長い日 今日6月21日は夏至(げし)にあたる。一年で、昼間の一番長い日である。昼間の時間は、もっとも短い冬至のときに比べ4時間50分も長い。これは東京の場合であるが、一番北の北極まで行…

雷雨の心配

[風を感じ、ときを想う日記](279)6/19 雷雨の心配 この日のお天気は、4日前までの長期予報では晴れ、それが3日前あたりから少しずつ悪い方に傾いていった。前日の予報では曇りのち雨、当日早朝の予報では、そのうち突風をともなった雷雨になるだ…

カラオケ

[エッセイ 61](既発表 5年前の作品) カラオケ わが家では、夫婦そろって天童よしみの「美しい昔」がお気に入りである。もとはベトナムの歌であるが、ややエキゾチックな感じもあってそのメロディーは新鮮で美しい。声量のある彼女が朗々と歌っているせ…

伊勢神宮

[エッセイ 245](新作) 伊勢神宮 宗教の聖地といえば深山幽谷の地がよく似合う。八百万(やおよろず)の神の頂点に立つ伊勢神宮が、なぜ海に近い平地にあるのだろう。天皇と密接な関係にありながら、なぜ都からかけ離れた場所に祭られているのだろう。ど…

弘法大師の誕生日

[風を感じ、ときを想う日記](278)6/15 弘法大師の誕生日 先週、南紀ツアーで高野山にお参りした。今日6月15日は、その開祖・弘法大師の誕生日だそうだ。大師は、774年に現在の香川県善通寺市で郡司の子として生まれた。しかし、実際に生まれた日…

四羽の鳩

[風を感じ、ときを想う日記](277)6/13 四羽の鳩 わが家では、ここ1ヵ月ばかり4羽の鳩に関心を寄せている。うち2羽は東京のど真ん中に住む“鳩山”兄弟のことであり、あとの2羽はわが家の庭に棲む“山鳩”のツガイのことである。 鳩山兄の方は早々に…

母と老人保健施設

[エッセイ 60](既発表 5年前の作品) 母と老人保健施設 その話を切り出すや否や、母は激しく拒絶した。手続き中であった母の老人保健施設への入園について、その許可が下りそうなので一度下見に行ってみようと提案したことへの反応である。その施設は、…

南紀めぐり

[風を感じ、ときを想う日記](276)6/10 南紀めぐり 梅雨入り直前の7日からの3日間、夫婦で南紀をめぐる旅に出た。 1日目:自宅⇒新幹線⇒名古屋⇒伊勢神宮⇒勝浦温泉(泊) 2日目:世界遺産めぐり(那智の滝と周辺寺社・熊野古道)⇒白浜温泉(泊) …

薬膳料理

[エッセイ 244](新作) 薬膳料理 足を踏み入れたとたん、子供のころの記憶がよみがえってきた。母がよく煎じていたゲンノショウコ(現の証拠)の、あの強烈な匂いにも似ている。そんな漢方の薬草に、強い香辛料の香りも加わって、店内はむせかえるようだ…

梅の実

[風を感じ、ときを想う日記](275)6/4 梅の実 今年は、ヤマバト(キジバト)の鳴き声がうるさいくらいにぎやかだった。わが家の梅の木にも、朝早くからやってきてデデッポッポーと鳴いていた。どうやら、ヤマバトが巣作りを始めているようであった。…

古文書とルーツ

[エッセイ 18](既発表 6年前の作品) 古文書とルーツ 古い友人から、古文書の英訳を頼まれた。彼の奥さんの叔父さんは、日系移民の二世でハワイに住んでいる。彼はその叔父さんから、先祖代々の来歴について調査を頼まれた。調査はうまくいったが、叔父…