2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

定額給付金

[風を感じ、ときを想う日記](267)4/30 定額給付金 わが家にも、やっと「定額給付金のお知らせ」が届いた。同封の申請用紙に必要事項を記入して返送すれば、指定の銀行口座に振り込まれるという。さっそく、申請書を作成し預金通帳のコピーを添えて…

フジ

[エッセイ 239](新作) フジ わが家の近くには、まだ雑木林が残っている。その林の、ある部分全面が藤(フジ)の花に覆われている。大木全体を覆い隠すように咲いているので、フジの木そのものが独立して成長し、花を咲かせているように見える。 いま、…

牡丹園

[風を感じ、ときを想う日記](266)4/25 牡丹園 いま、わが家の床の間にはボタンの掛け軸がかかっている。濃いオレンジ色の大輪が二つ、その傍らにつがいの白い鳩が描かれている。北京旅行の折、お土産に買ってきた代物である。テレビの鑑定団に出せ…

バチカン

[エッセイ 95](既発表 4年前の作品) バチカン カトリック信者の頂点に立つ新しいローマ法王の決定は、サン・ピエトロ広場で待つ群集に白い煙によって知らされた。新法王は265代目、ベネディクト16世と名乗った。 700年余り前のこと、法王の選出…

楽雨

[風を感じ、ときを想う日記](265)4/22 楽雨 穀雨の翌日は酷雨になるのではと心配していたが、実際に降られたのは最初の2ホールと後半の4ホールだけだった。それもほとんどが霧雨程度で、プレーに支障が出たのは最後の18番だけだった。 この最終…

こくう

[風を感じ、ときを想う日記](264)4/20 こくう 今日とこれからの半月間は、二十四節気でいう「穀雨」にあたる。この季節の雨は、やわらかくしとしとと降るのが特徴である。 やっと芽を出し、これからどんどん伸びていこうという植物にとっては、あり…

元同僚の集い

[風を感じ、ときを想う日記](263)4/19 元同僚の集い 私の勤務していた会社は、入社当時、東京駅八重洲口のすぐ前にあった。本社と、関東地区の営業を統括する部門がそこにおかれていた。私が三十代半ばにさしかかったころ、会社は新天地を求めて日…

[エッセイ 94](既発表 4年前の作品) 桃 近所の畑に植えられた桃の木が、濃いピンク色に染まっている。春の喜びを率直に表現した底抜けに明るい色調である。この時期、甲府盆地を訪れると、その明るさは数万倍に増幅され、いやでも桃源郷を連想してしま…

アジのサビキ釣り

[エッセイ 238](新作) アジのサビキ釣り 私の乗っていた釣り船がひっくり返った。泳ごうとしたが、手足がうまく動かない。カッパを着て長靴まではいている。おまけに、もう何十年も泳いだことがない。水中で、ただもがくだけだった・・。前夜こんな悪夢…

そば打ち体験

[エッセイ 55](既発表 5年前の作品) そば打ち体験 先日、語学教室の仲間に誘われて、3人でそば打ち体験教室に参加した。今回挑戦したのは、一番おいしいとされる二八そばである。二八とは、そば粉8割に対しつなぎの小麦粉が2割という意味である。調…

葉ザクラ

[風を感じ、ときを想う日記](262)4/18 葉ザクラ 頭上から、紅がかった白い花びらがヒラヒラと舞い降りてくる。花びらは、そよ風に吹き寄せられ、側溝の脇にピンクの吹きだまりをつくる。あれだけみんなにもてはやされたソメイヨシノも、盛りを過ぎ…

花吹雪

[風を感じ、ときを想う日記](261)4/10 花吹雪 母の様子が気がかりで、先週末から実家に帰ってきた。自宅を出て羽田に着くまで、満開の桜が次々と窓の外を流れていった。一気に西に下って、広島から実家まで、車窓にはまた同じような華やかな光景が…

高麗青磁

[エッセイ 93](既発表 4年前の作品) 高麗青磁 飛行機嫌いの友人が、初めての海外旅行として韓国に出かけることになった。なにかアドバイスしたいと思い、6年前に訪韓したときの旅日記をコピーして送った。いま読みかえしてみて、青磁の花瓶を買った時…

花見

[エッセイ 14](既発表 6年前の作品) 花見 きのう、家内と近所の大庭城址公園というところに花見に行った。そこは、市の西部に開発された大規模住宅団地の一角、ほどよく整備された自然豊な公園である。昔、近在を治めていた大庭氏の城跡だそうで、一つ…

花の金曜日

[風を感じ、ときを想う日記](260)4/3 花の金曜日 わが家から40キロ余り、都内の社宅までの道々、桜を存分に楽しむことができた。いつもは、走り抜けることだけに腐心させられる東京であるが、こうして一般道を走ってみると、また違った顔をもって…

海外勤務からの帰国

[エッセー 237](新作) 海外勤務からの帰国 わが家が一気ににぎやかになった。普段は大人2人と犬1匹の静かな生活である。そこに新たに4人が加わった。人間も犬も、少々戸惑い気味である。 ニューヨークで勤務していた息子の家族が、6年5ヵ月ぶりに…