花吹雪

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[風を感じ、ときを想う日記](261)4/10
花吹雪

 母の様子が気がかりで、先週末から実家に帰ってきた。自宅を出て羽田に着くまで、満開の桜が次々と窓の外を流れていった。一気に西に下って、広島から実家まで、車窓にはまた同じような華やかな光景が繰り広げられた。

 今年は桜の開花が早かったが、その直後から冷たい空気に包まれたおかげで3週間近くも咲き続けることになった。このため、西日本から東日本までほぼ同時に、それも長期にわたって私たちを楽しませてくれることになった。私は、その花回廊を2000キロ近くも往復したことになる。

 実家では、家の周囲に生えた雑草を抜き取るのが日課となった。それでも、正月にきれいにしたばかりなので、まだそれほど生い茂っているわけではない。しかし、雑草たちにとってはこれからが活躍の季節となるので、その発芽と成長をなるべく遅らせるよう念入りに処置しておく必要がある。

 実家の近所では、背丈を超える雑草がいまは空き地になった空間を覆い尽くしている。その茂みから、透き通るようなウグイスの鳴き声がひびいてくる。晴天続きのうららかな春の日差しの中で、雑草取りの作業も一段とはかどった。

 心配していた母の顔色もすっかり元通りになった。春爛漫、鴬の声に送られて、花吹雪の中を心軽やかに帰宅することができた。