名残の桜見物

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[風を感じ、ときを想う日記](345)4/10
名残の桜見物

 ちょうど一週間、春のど真ん中に帰省していたので、今年は花見の一番いい時期を逃してしまった。ところが、知人から大庭城址公園はまだ十分間に合うはずだと聞かされた。溜まっていた用事を一通り済ませた金曜日の午後、期待しないようにと自分に言い聞かせつつそこに出かけていった。

 桜はもちろん盛りを過ぎていた。それでも、それはそれなりに風情があった。名月に例えると、立待月(たちまちづき・十七夜)あるいは居待月(いまちづき・十八夜)といったところである。花吹雪が舞い、足元はじゅうたんが敷き詰められたようにピンクに染められていた。さすがに人出は少なく寂しささえ覚えたが、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと名残の桜を楽しむことができた。

 丘を降りた平地には引地川がゆったりと流れていた。両岸は、およそ1、5キロにわたって「引地川親水公園」として整備され、遊歩道の両側にはソメイヨシノが植えられている。開園後11年しか経っていないので、それらはまだ大木にまでは成長しきれていない。しかし若木であるだけに勢いがある。ここは吹きさらしであるせいか、開花も遅くいまがちょうど見ごろであった。

 みんなよく知っていた。名残の桜をいとおしむかのように、こちらは大勢の人出でにぎわっていた。

写真 上:大庭城址公園
   下:引地川親水公園