2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

[エッセイ 49] (既発表 2年前の作品) 梅 わが家の近辺では、いまほとんどの家で梅が咲いている。2月の上旬から花をつけ始めたのはおおかたが紅梅であった。その紅色はだんだんと色あせ、白梅に取って代わられようとしている。 わが家には、想いのまま…

静香劇場

[エッセイ 115] (新作) 静香劇場 朝、ふとんから手を伸ばしてテレビをつけたら、アメリカのコーエン選手が演技を始めるところであった。初日トップの彼女は、オリンピックの魔物に足をすくわれたのか、気の毒に2回も転んでしまった。 つづく荒川選手は、ゆ…

お雛さま

[エッセイ 48] (既発表 2年前の作品) お雛さま わが家では、いま、ほぼ10年ぶりにお雛さまが飾られている。長女が嫁いで以来久しぶりにお目にかかる晴れ姿である。私の誕生日は建国記念日と同じ日であるが、今年は節目の年齢にあたることから長女の一…

ある行政サービス

[エッセイ 88] (既発表 1年前の作品) ある行政サービス 先日、運転免許の更新手続きに行った。事前に届いていた案内はがきを持って、警察署の隣にある建物で更新手続きを申し出た。 「何か変更になったところはありませんか?」「昨年の町村合併で、本…

所得税の確定申告

[エッセイ 47] (既発表 2年前の作品) 所得税の確定申告 年金生活に入って以来、税務署から所得税の確定申告書の用紙が送られてくるようになった。その用紙には、こちらの住所・氏名や納税者番号と思しき番号まですでにプリントされている。表書きには、…

湯たんぽ

[エッセイ 114] (新作) 湯たんぽ 湯たんぽが静かなブームだという。興味津々、懐かしさも手伝ってさっそくホームセンターを覗いてみた。ところが、それらしきものはどこにも見あたらない。聞けば、2ヵ月前から極端な品薄状態にあるという。この冬の寒さと…

勝ち点 3

[エッセイ 83] (既発表 1年前の作品) 勝ち点 3 後半ロスタイム、小笠原のクロスのこぼれ球が福西を経由して後方から来た。「ダイレクトシュートしかない。コースも見えた」。シュートへの決断の早さが勝因だった。体を反転させながら左足でとらえた球が…

立春

[ごあいさつ] このエッセイのシリーズは、2002年11月から書き始めたものです。2年半かけて103編を書き溜め、昨年8月に「珈琲のかおり」という書名で自費出版しました。 その後、10編ほど溜まりましたので、こちらはブログで公開することにしま…