2009-01-01から1年間の記事一覧

嵐山、嵯峨野あたり

[エッセイ 266](新作) 嵐山、嵯峨野あたり 修学旅行でここを訪れたとき、しばし幻想的な雰囲気に酔いしれた。故郷の景色とは対照的な、それまで目にしたことのない山水の世界が広がっていた。しかも、この日のぐずついた空模様がその雰囲気をいっそう盛…

京都・東山山麓の紅葉

[エッセイ 265](新作) 京都・東山山麓の紅葉 清水の舞台から見下ろす紅葉は、てっぺんが白茶け、すでに盛りを過ぎているようにみえた。しかし、谷に下り木々を下から見上げたとき、その心配はまったく無用のものであることに気がついた。 清水坂を登る…

冬至イヴ

[風を感じ、ときを想う日記](319)12/21 冬至イヴ 昨日の夕食にはカボチャが出た。「今日は冬至だから、これを食べて元気に冬を乗り切らなきゃ」。そういえば、風呂にはゆずが浮かべられていた。「いや、冬至はまだ2~3日先のはずだよ」。 家内…

湯水混合栓のトラブル

[エッセイ 264](新作) 湯水混合栓のトラブル 台所の湯水混合栓がきちんと閉まらなくなった。水滴がポタポタと落ちている。しかし、わが家の水栓は、湯と水が別々のバルブになっているので、パッキンさえ取り換えれば簡単に直すことができる。今回は、給…

胃のバリウム検査

[エッセイ 263](新作) 胃のバリウム検査 「忘れないでよく来てくれましたね」「昨日、確認の電話くらいいただけるかと期待していましたが・・。それにしても間が空きすぎですよ」。予約を申し出たのが9月初め、そのとき取れたのが3カ月後の12月上旬…

雪降り

[エッセイ 3](既発表 7年前の作品) 雪降り 5日前、新しい週が始まったばかりの日のことである。朝から雪がどんどん降り、そのまま積もった。首都圏は、いつものことながら雪に弱い。電車やバスはそれによってことごとく止まってしまう。思いもかけない…

香嵐渓

[エッセイ 262](新作) 香嵐渓 「どうせ枯れ木を見に行くようなものだろう」。実際にそうだったとき、がっかりしないようそう自分に言い聞かせてきた。紅葉の見ごろは11月下旬までといわれているのに、12月に行くのだからそれくらいの覚悟は必要である。…

ゴルフカートのリモコン

[風を感じ、ときを想う日記](318)12/7 ゴルフカートのリモコン 昨日、久しぶりにホームコースの月例コンペに参加した。しかし、一人でブラッと出かけたため組み合わせに手間取り、スタートはコンペ最終組に回された。そのため、キャディーは出払…

環境対応車補助金

[風を感じ、ときを想う日記](317)12/5 環境対応車補助金 裏側に目隠しシールが貼られ、表には「親展」と書かれたハガキが届いた。差出人を見ると、まったくなじみのない「一般社団法人次世代自動車振興センター」という名前が印刷されていた。 な…

錦秋満喫の旅

[風を感じ、ときを想う日記](316)12/4 錦秋満喫の旅 12月1日からの3日間、紅葉見物のツアーに加わって、愛知県の香嵐渓、京都市内そして大和路の紅葉を楽しんできた。すでに紅葉は終わっているのではないかと心配しながらの旅となった。 紅葉…

事業仕分け

[風を感じ、ときを想う日記](315)11/29 事業仕分け 事業仕分けが終わった。劇場型を試み、国民の関心と期待を集めることに成功した。実にカッコよく、痛快でもあった。 あのニュースを見ていたら、若いころよく通った東映のチャンバラ映画を思い…

紅葉前線

[風を感じ、ときを想う日記](314)11/28 紅葉前線 紅葉前線が一気に南下し、日本列島の南部まで紅色に染まってきた。テレビの紅葉中継も、今週が最後の山場になるだろう。わが家の貧相なカエデも、いまが見ごろとばかりにその存在を必死にアピー…

木立巨大花

[エッセイ 261](新作) 木立巨大花 私がカメラを向けていると、「それはなんという花ですか?初めて見る花ですが」と通りがかりのおばあちゃんが声をかけてきた。「ダリアの一種で、皇帝ダリアというそうです」「ダリアは八重のはずですが、これは一重な…

イベント三連チャン

[風を感じ、ときを想う日記](313)11/20 イベント三連チャン 初日と三日目は、真冬を思わせる冷たい雨となった。 三連チャンの初日は、出身地の郡人会が午後6時から青山ダイアモンドホールで開かれた。地元の町長や国会議員などの来賓を含む75…

会社OB会

[エッセイ 79](既発表 5年前の作品) 会社OB会 手元に、会社OB会の新しい名簿がある。私が38年間勤務した会社の、それも在職中それなりに活躍した人たちの親睦の会である。会員数100名。年齢順に並べられた名簿には、ちょうど70番目に私の名…

小夏日和

[風を感じ、ときを想う日記](312)11/16 小夏日和 昨夜は久しぶりによく眠れた。朝まで、一度もトイレに行くことはなかった。昨夜10時過ぎから今朝6時まで、前後不覚に近い状態で熟睡できた。 一昨日の夜は、生煮え状態のまま朝を迎えた。トイ…

逃避行

[風を感じ、ときを想う日記](311)11/12 逃避行 市橋達也容疑者が、2年7カ月の逃避行の末やっと捕まった。たしかに、あれだけ顔を変えていたのでは、普通の人が気付くのは難しかったかもしれない。 それにしても・・・ 〆能蕕了?霙絢茲里箸、な…

ざる菊

[風を感じ、ときを想う日記](310)11/9 ざる菊 住宅街の一角に、ザルギクと呼ばれる菊が整然と植えられている畑がある。その菊は、立ち姿がザルをかぶせたように見えることからそう呼ばれている。 ここには、赤、白、黄色の株が全部で650株植え…

犬のシャンプー

[風を感じ、ときを想う日記](309)11/6 犬のシャンプー 今日は朝から日差しに恵まれて、気温もどんどん上がっていった。うららか過ぎるほどうららかな、気持ちのいい晩秋となった。明日は立冬なので、今日がまさに今秋最後の日である。 そうだ、犬…

定期帰省

[風を感じ、ときを想う日記](308)11/1 定期帰省 昨夜、一週間ぶりに定期帰省から帰ってきた。費用もかさむので、お盆以外は一人で帰ることにしている。 自宅には、留守の間に653通もの迷惑メールが届いていた。足掛け6.5日だったので、1日…

観艦式

[エッセイ 260](新作) 観艦式 「天気晴朗にして波穏やかなり」。相模湾沖でクライマックスを迎えようとしているとき、興奮を抑えきれない私の口からこんなフレーズが飛び出した。 1905年5月27日、日本の連合艦隊は日本海においてロシアのバルチック艦隊…

二日続きの望郷デー

[風を感じ、ときを想う日記](307)10/20 二日続きの望郷デー 気候のいい春と秋には、いろいろな定例行事が集中する。直近の2日間も、年に1~2度しかないはずの望郷の行事が続いた。 一昨日の日曜日には、年1回の東和町人会が開かれた。会場に…

箸が転がっただけで

[風を感じ、ときを想う日記](306)10/15 箸が転がっただけで 女の子が成長すると、やがて箸が転がっただけで可笑しさを感じる年頃を迎える。彼女たちにとっては、見るもの聞くものすべてが新鮮であり、驚きにつながるときである。その天性の明る…

銀歯

[エッセイ 259](新作) 銀歯 朝食の最中、前歯に違和感を覚えた。また、義歯を固定しているブリッジの接着が剥がれかかっているようだ。さっそくいつもの歯科医に見てもらうことにした。前回から半年が経ち、ぼつぼつ歯石もたまっているころなのでちょう…

イチロー

[エッセイ 75](既発表 5年前の作品) イチロー 山口県内を走る国道262号線を、イチローロードと名づけられないだろうか。そんな記事が新聞に大きく出ていた。なるほど、イチローの今シーズンの安打記録は262本。もちろん、大リーグの新たな最多安…

寒露のかおり

風を感じ、ときを想う日記(305)10/10 寒露のかおり 台風18号がまだ太平洋上のはるか彼方にあったころ、就寝前の天気予報を見て驚いた。中心気圧は910ヘクトパスカル、最大瞬間風速はなんと80メートルにも達するという。いままでの記憶にな…

中高年が主役?

[風を感じ、ときを想う日記](304)10/6 中高年が主役? 今日の日経新聞に、「生活関連消費 中高年が主役」という記事が出ていた。メガネの三城では、2009年度の老眼鏡の売上高が全体の50%を超える見通しだそうだ。紙おむつの市場では、2008年度の…

おぼろな名月

[風を感じ、ときを想う日記](303)10/3 おぼろな名月 ここ数日、秋雨前線にたたられてうっとうしい日が続いている。今日も、曇りときどき雨のはっきりしない空模様のまま夕暮れを迎えた。来週の予報をみても、雨や曇りのマークばかりでお日さまの…

温泉旅行

[エッセイ 34](既発表 6年前の作品) 温泉旅行 私たちは、予定のルートを変えて1号線を芦ノ湖にむけて登っていった。9月も最後となるその日は、台風がちょうど小笠原諸島を通過中であった。空気中のチリや水分は根こそぎ超低気圧に吸い寄せられてしま…

高齢者講習

[エッセイ 258](新作) 高齢者講習 県の公安委員会から、高齢者講習のお知らせというハガキが届いた。「運転免許証の更新期間が満了する日における年齢が70歳以上の方は、道路交通法により高齢者講習の受講が義務付けられておりますので更新手続の前に…