2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

仙台OB会

[エッセイ 248](新作) 仙台OB会 かつて、仙台の支店に勤務したことのあるOBが、市内のホテルに集まった。地元に住んでいる人が14名、遠くから新幹線に乗って泊まりがけでやってきた人が16名、全部で30名が揃った。私にとっては28年ぶり、も…

二羽の山鳩

[エッセイ 247](新作) 二羽の山鳩 一度営巣に失敗したあの山鳩たちが、いつの間にか舞い戻っていた。同じ梅の木の、同じ場所に巣をつくりはじめた。戻って間もなく、そのうちの一羽が巣に座った。 それにしても、もう卵を産んだのだろうか。前回、抱卵…

大英博物館

[エッセイ 101](既発表 4年前の作品) 大英博物館 入場者が、ミイラの前でつぎつぎと記念写真を撮っている。あとで、立派な心霊写真に仕上がることであろう。私は、ミイラの数の多さとその異様な雰囲気に圧倒され、足早にその場を離れていった。 ここ大…

熊野古道

[エッセイ 246](新作) 熊野古道 轟音とともに流れ落ちる日本一・落差133メートルの大滝は、神秘としかいいようがない。古代の人々は、そこに神の姿を見て御神体と崇めた。それをお祭りする熊野那智大社は、467段の石段の上にあった。すぐ隣の青岸…

昼間の一番長い日

[風を感じ、ときを想う日記](280)6/21 昼間の一番長い日 今日6月21日は夏至(げし)にあたる。一年で、昼間の一番長い日である。昼間の時間は、もっとも短い冬至のときに比べ4時間50分も長い。これは東京の場合であるが、一番北の北極まで行…

雷雨の心配

[風を感じ、ときを想う日記](279)6/19 雷雨の心配 この日のお天気は、4日前までの長期予報では晴れ、それが3日前あたりから少しずつ悪い方に傾いていった。前日の予報では曇りのち雨、当日早朝の予報では、そのうち突風をともなった雷雨になるだ…

カラオケ

[エッセイ 61](既発表 5年前の作品) カラオケ わが家では、夫婦そろって天童よしみの「美しい昔」がお気に入りである。もとはベトナムの歌であるが、ややエキゾチックな感じもあってそのメロディーは新鮮で美しい。声量のある彼女が朗々と歌っているせ…

伊勢神宮

[エッセイ 245](新作) 伊勢神宮 宗教の聖地といえば深山幽谷の地がよく似合う。八百万(やおよろず)の神の頂点に立つ伊勢神宮が、なぜ海に近い平地にあるのだろう。天皇と密接な関係にありながら、なぜ都からかけ離れた場所に祭られているのだろう。ど…

弘法大師の誕生日

[風を感じ、ときを想う日記](278)6/15 弘法大師の誕生日 先週、南紀ツアーで高野山にお参りした。今日6月15日は、その開祖・弘法大師の誕生日だそうだ。大師は、774年に現在の香川県善通寺市で郡司の子として生まれた。しかし、実際に生まれた日…

四羽の鳩

[風を感じ、ときを想う日記](277)6/13 四羽の鳩 わが家では、ここ1ヵ月ばかり4羽の鳩に関心を寄せている。うち2羽は東京のど真ん中に住む“鳩山”兄弟のことであり、あとの2羽はわが家の庭に棲む“山鳩”のツガイのことである。 鳩山兄の方は早々に…

母と老人保健施設

[エッセイ 60](既発表 5年前の作品) 母と老人保健施設 その話を切り出すや否や、母は激しく拒絶した。手続き中であった母の老人保健施設への入園について、その許可が下りそうなので一度下見に行ってみようと提案したことへの反応である。その施設は、…

南紀めぐり

[風を感じ、ときを想う日記](276)6/10 南紀めぐり 梅雨入り直前の7日からの3日間、夫婦で南紀をめぐる旅に出た。 1日目:自宅⇒新幹線⇒名古屋⇒伊勢神宮⇒勝浦温泉(泊) 2日目:世界遺産めぐり(那智の滝と周辺寺社・熊野古道)⇒白浜温泉(泊) …

薬膳料理

[エッセイ 244](新作) 薬膳料理 足を踏み入れたとたん、子供のころの記憶がよみがえってきた。母がよく煎じていたゲンノショウコ(現の証拠)の、あの強烈な匂いにも似ている。そんな漢方の薬草に、強い香辛料の香りも加わって、店内はむせかえるようだ…

梅の実

[風を感じ、ときを想う日記](275)6/4 梅の実 今年は、ヤマバト(キジバト)の鳴き声がうるさいくらいにぎやかだった。わが家の梅の木にも、朝早くからやってきてデデッポッポーと鳴いていた。どうやら、ヤマバトが巣作りを始めているようであった。…

古文書とルーツ

[エッセイ 18](既発表 6年前の作品) 古文書とルーツ 古い友人から、古文書の英訳を頼まれた。彼の奥さんの叔父さんは、日系移民の二世でハワイに住んでいる。彼はその叔父さんから、先祖代々の来歴について調査を頼まれた。調査はうまくいったが、叔父…