子どもの日の鯉のぼり

[風を感じ、ときを想う日記](1255)5/5

子どもの日の鯉のぼり

 

 今日の子供の日は、素晴らしいお天気に恵まれた。空は深い五月晴れ、頬を撫でる風はとことんやさしく、暑さも寒さも感じさせない。一方のわが家は、子供の日だからといっても、もう子供たちの姿は見あたらない。実の子供たちは中年を過ぎようとしているし、孫たちはとっくに成人式を終えてしまっている。家系内で子供の顔を見ようとすれば、ひ孫の誕生を待つしかないのが実態である。

 

 そんなわけで、せっかくの子供の日なのに、身内でそれをお祝いすることなどどこか遠い世界の話になってしまった。それでも、せっかくだから青空を泳ぐ鯉のぼりくらいはゆっくりと見物したいものだ。そうかといって、近所に子供は少なく、鯉のぼりを掲げているお宅もほとんど見当たらない。そうだ、白旗神社に行ってみよう。あそこなら、毎年たくさんの鯉のぼりを泳がせている!

 

 境内に足を踏み入れてみると、上空は鯉のぼりで、地上の境内は子供達でいっぱいだった。“義経公まつり”と銘打って子供たち相手の催し物をたくさんやっていたのだ。神社や市内の有志たちが、子供達のために頑張ってくれているようだ。そうだ、混雑の中をなにも遠くまで出かけなくても、近くで子供達を楽しませる方法はいくらでもあるのではないだろうか。

 

 子供たちの元気な姿を見ていると、こちらもおのずと元気が湧いてくる。まして、青空を泳ぐ鯉のぼりを仰ぎ見ていると、心にも体にも力が満ちあふれてくる。