[風を感じ、ときを想う日記](1112)5/5
五月の風
今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。
・・・真鯉に緋鯉、そして青い子鯉。いま、鯉のぼりが皐月の空を悠然と泳いでいます。
五月に鯉のぼりを上げるのは、江戸時代に武家社会で始まった日本独特の習慣のようです。男の子の出世を願って、端午の節句にその家の庭先に飾られていたそうです。
鯉のぼりは、形状からみれば「吹き流し」のはずですが、なぜか「のぼり」と呼ばれています。おそらく、中国の伝説「黄河の上流にある龍門の急流を上った鯉は、化して龍になる」という「鯉の滝登り」にあやかって、鯉は上るものとしたのではないでしょうか。
いまの少子化社会にもっとも欲しいのは、風に向かって元気に泳ぐ鯉のぼりの群れにも似た風景です。その子供たちには、ぜひ龍門の滝を登る気概を身につけてほしいものです。・・・
今日の主役である15歳未満の子供の数は、4月1日現在1,465万人で、41年連続の減少、ピークだった1954年の半分にまで落ち込んだそうだ。私たちはいろいろな問題を抱えているが、これこそ喫緊かつ最大の課題である。
あわせて、いまの子供たちの成長を、温かく見守ってあげる義務もある。