三日後、一ヶ月後の桜

[風を感じ、ときを想う日記](1180)3/30

三日後、一ヵ月後の桜

 

 この近在では、ソメイヨシノを2回楽しむことができる。少し早いのが、小高い丘の上にある大庭城址公園である。毎年、東京千鳥ヶ淵とほぼ同じ頃、正確にいうとほぼ1日遅れて満開を迎える。それから数日を経て楽しめるのが、丘の東側を南北に流れる引地川周辺である。両者の差はおよそ3日~4日ある。

 

 大庭城址公園の方は、先週金曜日にはほぼ満開となった。丘の上の二段になった芝生広場を囲むように、8の字形に植えられた大木たちである。すでに40~50年の歳月を経て、幹まわりや枝振りなどは風格も十分に備わっている。それらに咲いた花たちも、まさに満艦飾の風情である。

 

 そのとき、引地川両岸のサクラはまだ二~三分咲きだった。しかし、週明けの月曜日にはほぼ満開になった。こちらは、やっと壮年期を迎えたばかりの二十歳あまりの若木だが、いまや立派な桜並木へと成長した。それが、川の両側にそれぞれ2列ずつ、川の字よりさらに1列多い4列に並んでいる。

 

 ここは、2月末に河津ザクラを楽しませてもらって以来ちょうど1ヵ月目、2度目の訪問となった。あの濃いピンクのサクラたちは、引地川の左岸に伸びる2列のサクラたちのさらに下流側に植えられたものだ。ソメイヨシノを楽しませてもらった余韻を残しながら、そちらにも足を向けてみた。そこでは、濃い緑の葉っぱの大きなかたまりが長い行列をつくって私たちを迎えてくれた。