早春の引地川親水公園


[風を感じ、ときを想う日記](1174)2/27

早春の引地川親水公園

 

 引地川親水公園のサクラ見物は、月末の月曜日をおいてほかにないと考えていた。河津桜が満開直前に達し、見ごろを迎えると予想されたからだ。それに、なによりお天気がよく、かなり温かくなりそうだと予報されてもいた。さらには、平日で人出が少なく、駐車場に苦労しなくてすみそうだということもあった。

 

 現地は想定どおりだった。空は抜けるように青く、風もほとんど感じられなかった。川の流れはゆるやかで、淀みの部分などさざ波さえ立っておらず、銀鱗を光らせながら悠然と泳ぐ鯉の群れが透き通って見えた。鴨たちは数羽ずつまとまって、日向ぼっこに余念がなかった。

 

 河川敷というより、なだらかな丘陵地といったほうがよさそうなところに、そのカワヅザクラが幾筋も植えられている。今回、その数を数え直してみたら、ゆうに70本はありそうだ。西側に引地川が流れ、ニュータウンの市街地越しに、白く雪を被った富士山の雄姿が望める。

 

 お目当ての河津桜は七、八分咲きといったところだった。まだ五分咲きそこそこというものもあれば満開直前になったものも散見できる。木の成長ぶりは、人間でいうなら中学一、二年生といったところで、まだ大人の色気は持ち合わせていないようだ。逆に、将来を期待させる初々しさを備えていた。

 

 青天と、そよ風と、華やかさを楽しめた早春のひとときだった。