三月三日

[風を感じ、ときを想う日記](1175)3/3

三月三日

 

 今日は、もともと上巳の節句といった。その上巳を広辞林でみると、「五節句の一つ。陰暦三月三日、女子の祝いの日としてひなを飾り、白酒・桃の花・草もちなどを供えてひな祭りをする。宮中では曲水の宴が行われた」とあった。しかし、ほかの説明はなかったので、どうやら節句の名前に限定された言葉らしい。

 

 いまは、「桃の節句」と呼ばれることが多いが、新暦のこの時期ではまだ早すぎて桃の花は咲いていない。そこで、旧暦ならいつになるだろうと調べてみたら、今年は4月22日がその日にあたり、桃の花には遅すぎるようだ。なんと、旧暦では今年は2月が2回あり、3月が後ろに大きくずれているためだ。

 

 旧暦は、月の満ち欠けを基準にしているが、月の周期はおよそ29.53日なのでどんどんズレが生じてくる。そのため、およそ19年に7回の割りで閏年を儲けそれを調整しているようだ。今年の例でいくと、前の2月が大で2月20日から3月21日、後の2月が小で3月22日から4月19日である。

 

 ところで、ひな人形を飾るようになったのは江戸時代半ばくらいで、ひな壇となるともっと後になってからのようだ。最近は、寄付された沢山のひな人形を、公共施設などに何十段にも積み上げて飾られているのをニュースなどでよく見かける。少子化のせいだろうか、あるいは時代の流れがそうさせるのだろうか。

 

 せっかく夢のある風習なので、これからも永く続いてほしいものだ。