ひな祭り

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[風を感じ、ときを想う日記](739)3/4
ひな祭り

 ここ数日、春本番を思わせるような好天が続いている。ひな祭りをお祝いするにふさわしい穏やかな日和である。3月3日は別名桃の節句と呼ばれている。しかし、旧暦ならともかく今の暦で桃の花を期待するには少々早すぎるようだ。

 わが家では女の子が巣立って久しい。それでも、主役抜きででも、たまにはひな祭りの真似事くらいはしてみたいものだ。どうせ時間があるのだから、伝統行事にお付き合いをするのも悪くはないだろう。

 娘の雛人形は、彼女が独立したあともわが家に置いたままになっている。たまには虫干しでもしてやらなければならないだろう。しかし、全部取り出すとなると大ごとになる。最低限、形が整えられればいいので、お内裏様(親王)とお雛様(内親王)の人形二体だけを飾ることにした。

 夕食にはちらしずしを用意した。普段、自宅でのすしといえば手巻きずしと決まっているが、ひな祭りにはやはりちらしずしの方がふさわしい。そのための食材をスーパーで求め、ついでに桜餅も買ってきた。こちらは夕食まで待たず、昼下がりのおやつとしていただくことにした。

 こうして、桜餅をほおばり、ちらしずしを食べながらひな人形を眺めていると、人々のいにしえからの願いが伝わってくるようだ。形ばかりのお祝いとなったが、それでも女の子の幸せを祈る気持ちになんら変わりはない。