旧・桃の節句

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[風を感じ、ときを想う日記](259)3/29
旧・桃の節句

 今日は、旧暦の3月3日にあたる。本来なら、五節句の一つである上巳(じょうし)の節句としてお祝いするはずである。この行事は、雛人形を飾ってお祝いすることから雛祭りと呼ばれたり、桃の花の季節にあたることから桃の節句と呼ばれたりしている。

 古来中国には、3月3日を上巳(じょうし)の節句として、水辺で身体を清め、宴会を催して災厄を祓うという風習があったという。一方日本には、古代から禊祓(みそぎばらい)の思想や人形(ひとがた)を水に流して自分の厄を洗い流す流し雛の風習があったそうだ。

 雛祭りは、こうした中国の上巳の節句に日本の流し雛の風習が結びついて形作られたものである。もともと、男女の区別はなかったが、室町時代以降、女の子のお祭りとしてお祝いされるようになったという。ちょうど桃の花の咲くころなので、雛人形とあわせて女の子に結びつけたものではなかろうか。

 この季節、どこを歩いていても桃の花に出会うことができる。その花の形といい色合いといい、まさの女の子にふさわしい優しさと華やかさを兼ね備えた花である。