九月の風

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[風を感じ、ときを想う日記](810)9/9
九月の風

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 ・・・9月9日は重陽(ちょうよう)の節句、別名菊の節句です。古来より、奇数は陽であり、めでたい数字とされています。その陽数の重なる1月1日はもとより、3月3日、5月5日、そして7月7日はおめでたい日としてちゃんとお祝いされています。ところが、9は、その読み方が「苦」に通じるとして嫌う人も多く、9月9日の節句は忘れ去られた感があります。

 それでも、9はおめでたい奇数の中でも一番大きい数字であり、最も縁起の良い数字であることに変わりはありません。9は一桁数の終わりにあたることから、無限や再生を意味し、長寿若返りに通じるとも考えられています。

 99歳の白寿まで、元気に楽しく過ごせることを願って、重陽節句を盛大にお祝いしてみてはどうでしょう。・・・

 このような伝統的な行事は、もとは旧暦に基づいたものである。重陽節句を本来の暦に置き換えれば、今年は10月28日になる。菊も、人工栽培によって一年中出回るようになったが、9月上旬の菊というとやはり多少の違和感はある。それが、旧暦なら10月の末にあたると聞けば十分納得がいく。

 重陽節句には、酒に菊の花を浸して飲み、健康長寿を祝う習わしがあるという。そのときが来たら、私たちもぜひ試してはどうだろう。