元同僚の集い

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](263)4/19
元同僚の集い

 私の勤務していた会社は、入社当時、東京駅八重洲口のすぐ前にあった。本社と、関東地区の営業を統括する部門がそこにおかれていた。私が三十代半ばにさしかかったころ、会社は新天地を求めて日本橋に移転した。以来、会社がこの地に戻ってくることは二度となかった。

 八重洲に勤務していた当時、会社も若かったが私たち社員も若かった。それだけに、私たちにとってこの地は思い入れの深い特別な場所である。その八重洲に勤務経験をもつ元同僚たちが集う会がある。八重洲会とよばれているが、自然発生的に生まれた会なので、規約などというかたぐるしいものはない。

 昨日、その年一回の会合が八重洲で開かれた。会場は、元本社のおかれていた所からそう遠くないシティホテルである。ところがその会場を覗いてみて驚いた、参加者が昨年より大幅に減っているのだ。

 なにしろ、三十数年も前に無くなった事業所である。当時からの現役社員は一人も残っていない。みな高齢化し、仲間は減ることはあっても増えることはない。私のかかわっている同郷人の集いや同窓会などもそうだが、漸減傾向に歯止めがかからないのが実情である。

 それでも、楽しさは逆に増加したように思う。人数が少なくなった分、中身が濃くなったためらしい。この会は、その性格上近い将来必ず消滅する運命にある。せめて、少しでも長く楽しい会として存続させたいものである。