2022-01-01から1年間の記事一覧

中秋の名月

[風を感じ、ときを想う日記](1138)9/11 中秋の名月 沈む日と入れ替わるように、中秋の名月が東の空に現われた。雲一つない深い闇の中に、金色に輝くまん丸い月がぽっかりと浮かんでいる。月は、高く上るにつれ、その色を金色から銀色へ、そして…

九月の風

[風を感じ、ときを想う日記](1137)9/9 九月の風 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。 ・・・これからが旬の秋ナスにはこんな諺があります。「秋ナスは嫁に食わすな」。秋ナスはおいしすぎるのでとやっかんでみ…

わが家のカエデ

[風を感じ、ときを想う日記](1136)9/6 わが家のカエデ 紅葉?新緑?それとも新紅?・・やはり、新しい葉っぱなので新葉と呼ぶことにしよう。1ヵ月前に切り落とされた枝の、先端周辺に芽生えた新しい葉っぱのことである。いま、透き通った美しい…

奥手のアサガオ

[風を感じ、ときを想う日記](1135)9/4 奥手のアサガオ 梅雨も終わりのころだった。捜し物をしようと引き出しの中をまさぐっていたら、小さな紙包みが出てきた。「朝顔の種」と書かれており、昨年秋の日付が入っていた。いまから蒔いてもうまく育…

台風シーズン

[風を感じ、ときを想う日記](1134)9/3 台風シーズン いま、樹木に花を付けているのはフヨウの類いである。その中でもひときわ人目を引くのが、花びらを八重につけ、朝夕で色を変えるスイフヨウである。酔芙蓉は、二百十日前後の台風シーズンに見…

ごあいさつにきました

[風を感じ、ときを想う日記](1133)8/31 ごあいさつにきました 昨日、昼下がりのことだった。玄関の戸を、ドンドンと手で叩く音がした。誰か男の人が、玄関ドアのすぐ外でなにかを叫んでいるようだった。インターフォンを取り上げ、「ハーイッ」…

地中の生きもの・セミ

[エッセイ 639] 地中の生きもの・セミ 強い日射しとともに激しく降り注ぐセミしぐれ、あの強烈なエネルギーはどこから来ているのだろう。セミはどうしてそこまで生き急ぐのだろう。そんな素朴な疑問に背中を押され、あらためて昆虫図鑑を開いてみた。太…

処暑

[風を感じ、ときを想う日記](1132)8/23 処暑 今日、そしてこれからの2週間は、二十四節気でいう「処暑」にあたる。解説の本を開いてみたら、厳しい暑さを越したころ。朝夕には涼しい風が吹き、心地よい虫の声が聞こえてくる。暑さが和らぎ、穀…

カンコロ

[エッセイ 638] カンコロ はったい粉について書いているうちに、カンコロはもっと身近にあったと思うようになった。カンコロとは西日本の方言で、サツマイモを薄く切って天日干ししたものをいう。わがふる里では、それを粉にして蒸し団子の材料として利…

お盆

[風を感じ、ときを想う日記](1131)8/16 お盆 わが家では、お盆の墓参りは8月13日に行うことにしていた。ところが、この日は台風が関東地方を直撃すると予報されていた。なにもそんな日に出かけることもない。せっかくお供えした花だってすぐ…

山の日

[エッセイ 637] 山の日 昨日、8月11日は山の日だった。いわれてみればそうだったかと気がつくが、なにかいま一つぴんとこない。“夏と海の日”ならなるほどと思うが、“夏と山の日”ではどうもしっくりとこない。さらに、この日が月遅れのお盆の直前とい…

スズメバチ

[エッセイ 636] スズメバチ うだるような暑い日だった。朝ドラが終わる頃には、かねてお願いしていた植木屋が庭木の剪定にきてくれた。私は、「ちょっと出かけてくるのでよろしくね!」といって、恒例のクラブ活動に出かけていった。2時間ばかりして帰…

八月の風

[風を感じ、ときを想う日記](1130)8/5 八月の風 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。 ・・・サルスベリの花は、樹木に花のほとんど見られなくなる夏の間、夾竹桃(キョウチクトウ)の花とともに暑さにうだる私…

セミしぐれ

[風を感じ、ときを想う日記](1129)8/2 セミしぐれ 変異型の梅雨が明け、本格的な夏が到来してからというもの、最高気温は毎日のように更新されている。今日の最高は、熊谷の41度と予報されていた。こんなに暑くなったら、汗をかく“力仕事”は朝…

衣類の虫

[風を感じ、ときを想う日記](1128)7/31 衣類の虫 先日、弔事で出かけることがあった。コロナ騒動以降、こうした機会は極端に少なくなったが、身近な場合はまた別問題である。季節、天候、はては社会情勢まで、時期や場所を選ぶことなどまったく…

はったい粉

[エッセイ 635] はったい粉 うだるような暑い日だった。午前中、グラウンド・ゴルフで大汗をかき、昼食後はちょっぴり昼寝をすることにした。4~50分経ったころ自然と目が覚めた。隣のソファーでは、家内もちょうど目を覚ましたところだった。彼女は…

withコロナ&熱波

[風を感じ、ときを想う日記](1127)7/22 withコロナ&熱波 関東では、今年の梅雨明けは6月27日だった。平年より22日も早い。異常に早いので、そのうち何らかの反動があるのではと心配していたら、台風4号が7月5日に長崎県に上陸したのを機…

閃輝暗点(せんきあんてん)

[エッセイ 634] 閃輝暗点(せんきあんてん) 突然、視野に異常が現われる。ギザギザのガラスの破片のようなものがCの字型に連なって現われ、キラキラ、ギラギラと輝いているように見える。破片の列は、時計回りに回転しているようにもみえる。最初は薄…

七月の風

[風を感じ、ときを想う日記](1126)7/15 七月の風 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。 ・・・こう暑くなると、お昼にはパリパリのキュウリを乗せた冷たい素麺も悪くないですね。 そのそうめんは、室町時代に…

交響曲・英雄

[風を感じ、ときを想う日記](1125)7/12 交響曲・英雄 日曜夜9時からは、NHKの「クラシック音楽館」でべートーべンの交響曲第3番・英雄を聞いた。今年で95歳を迎える現役最高齢のヘルベルト・ブロムシュテットの優雅な指揮にもあらためて勇気づけ…

八重洲雑感

[エッセイ 633] 八重洲雑感 八重洲のことを書き始めたら、思い出が次々と吹き出してきた。最初は、テーマを再開発に絞り、それ以上書くつもりはなかったが、やはりもう少し書いておきたいという気持ちが強くなり、再びこのテーマと向き合うことにした。…

八重洲界隈

[エッセイ 632] 八重洲界隈 東京駅東側の八重洲を8年ぶりに訪れた。コロナで途絶えている高校の同窓会を、今秋、京橋のエドグランビルで開くことになった。その下打ち合わせを八重洲口から10分の同じ場所で行いたいということだったのだ。この辺りは…

4回目の接種

[風を感じ、ときを想う日記](1124)7/2 4回目の接種 コロナのワクチンは、最初が昨年の5月31日、二回目が6月21日、三回目は今年の1月29日、そして四回目の今回は6月30日に接種を受けた。いずれもファイザー製だった。こうして、コロナとの闘いは…

真夏のゴルフ

[風を感じ、ときを想う日記](1123)6/28 真夏のゴルフ 今月最後の日曜日、何十年ぶりかで真夏のゴルフを楽しんだ。梅雨入り直前に、友達とこの日の競技会で一緒にプレーすることを約束していたためだ。その約束は、競技会当日は梅雨の最中なので…

百合

[風を感じ、ときを想う日記](1122)6/25 百合 今日も、朝からよく晴れ上がり、梅雨時とは思えないほどの青空が広がっている。そんな天候のせいだろうか、梅雨の主役であるアジサイの花が、ピークを過ぎてすっかり色あせてしまった。早春から続い…

梅雨明け?

[風を感じ、ときを想う日記](1121)6/24 梅雨明け? 6月6日に梅雨入りしたが、ここ数日は曇り時々雨で、梅雨らしいお天気からはほど遠い状況にある。今日も朝からかんかん照り。向こう一週間も晴れが続き、雨のかけらも予報されていない。最高気…

トウモロコシ

[風を感じ、ときを想う日記](1120)6/20 トウモロコシ スーパーのチラシに誘われて、今年初めて生のトウモロコシを買ってきた。さっそく茹でて、ヤケドしそうな熱々を3時のおやつにいただいた。ジューシーで、甘みもたっぷりと詰まっていた。「…

水無月

[エッセイ 631] 水無月 私の所属するゴルフ場では、月に2回ばかり公式競技大会が開催される。大会には愛称がつけられるが、月前半のそれには和風月名があてられる。4月なら卯月杯、5月なら皐月杯といった具合である。先日の日曜日には、6月の大会・…

六月の風

[風を感じ、ときを想う日記](1119)6/13 六月の風 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。 ・・・雨に濡れる紫色の花をながめていたら、こんなフレーズが頭に浮かんでくるかもしれません。「いずれあやめか、かき…

梅の収穫

[風を感じ、ときを想う日記](1118)6/9 梅の収穫 庭に植えられた豊後梅という種類は、わが家で唯一“収穫”の対象となる梅の木である。梅雨入りとともに、今年もまたその季節がやってきた。わが家では、主にジャムにするので、できるだけ大きくぎり…