七月の風

[風を感じ、ときを想う日記](1126)7/15

七月の風

 

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 

 ・・・こう暑くなると、お昼にはパリパリのキュウリを乗せた冷たい素麺も悪くないですね。

 

 そのそうめんは、室町時代に中国から伝えられてきたものです。小麦粉に塩を加えて水で練り、縄をなうように引き延ばしていくことから、当時は索麵と呼ばれていました。

 

 ところで、そうめんがお盆と深い繋がりがあるように思われているのはなぜでしょう。一説によると、ご先祖様が里帰りされた喜びを長持ちさせるためとか、あの世に帰られるときの、お供えの背負紐や精霊馬の手綱に使うためなどといわれています。そして古くから、疫病退散の願いを込めて、ご仏前には素麺が供えられる習慣がありました。

 

 案外、素麺のお陰でコロナ禍も乗り切れたということになるかもしれませんよ。・・・

 

 こんな伝統的な食べ物だが、今やその原材料の大部分は輸入に頼らざるを得ないのが実態である。しかし、国際情勢はますます厳しくなり、改善の見通しはまったく立っていない。ご先祖様にお願いすることがまた一つ増え、お盆のご帰宅時にもゆっくりとお休みいただけないのではないだろうか。