[風を感じ、ときを想う日記](590)8/12
八月の光
今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。
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夏、真っ盛り、もうすぐお盆がやってきます。この期間は、最近の出来事やわが家の様子を、ご先祖様に報告する年一度の貴重な機会です。
ご先祖様には、みんな頑張っているとご安心いただくとともに、子孫の繁栄についてもしっかりと見守っていただかなければなりません。そのためにも、わが家にご滞在中は、心をこめて接待に努めなければなりません。
ところで、私たちも人の世の面白さがやっと分かってきたところです。ご先祖様がお帰りになるとき、「あちらで仲間入りさせていただくのは、まだ数十年先になりそうだ」と伝えるのを忘れないようにしましょう。
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ところで、この1月、わが家では仏壇を実家からいまの住まいに移した。昨年までは、お盆になると、ご先祖様はまっすぐ実家にお帰りになった。しかし、今年は、そのよりどころとなる仏壇は、遠く離れた別の地にある。ご先祖様が、迷うことなくこちらにお帰りいただけるかどうか少々心配である。
仏壇をしっかりと磨き、こちらにご滞在いただく場所も特別にしつらえ、目印の旗も高く掲げるなど、お盆の準備は普段にもまして入念に整えた。