梅の収穫

[風を感じ、ときを想う日記](1118)6/9

梅の収穫

 

 庭に植えられた豊後梅という種類は、わが家で唯一“収穫”の対象となる梅の木である。梅雨入りとともに、今年もまたその季節がやってきた。わが家では、主にジャムにするので、できるだけ大きくぎりぎりまで熟させてとりいれすることにしている。その実がここ数日、目に見えて大きくなり色づいてきた。

 

 今年の梅雨入りは、中部以西をすべて飛び越えて、突然関東にやってきた。その予想を超えた繰り上がりに少々戸惑ってはいたが、昨日は薄日も差してきたのでここぞとばかりに梅の収穫に取りかかることにした。梯子を出し、年齢のことも忘れて木によじ登り、一個一個ていねいにもぎ取った。

 

 収穫量は、平年並みよりやや少な目といったところだった。さっそくハカリに乗せてみたら9キロ弱あった。まあ、これくらいあれば予定のメニューにはちょうどいいかもしれない。これから先は家内の担当となる。熟したものは茹でてジャムに、残りのまだ青いのは梅酒とサワーに変身させることにした。

 

 最初に仕込みが終わったのは梅サワーと梅酒である。青いものを選んで大きな瓶に詰め、砂糖と酢または焼酎を加えて床下で熟成を待つことにした。残りはジャム作りへとまわした。茹でて果肉を取り出し、砂糖を加えてさらに煮込む。それですぐにも食せるが、味を落ち着かせるため一息入れることにした。

 

 かくして、わが家の収穫祭は今年も厳かに執り行うことができた。