二宮せせらぎ公園

[風を感じ、ときを想う日記](1117)6/5

二宮せせらぎ公園

 

 あれ!ぼつぼつハナショウブの時期ではないの?気になりだしたら放ってはおけない。その場で昨年の投稿ページを開いてみた。去年、二宮のせせらぎ公園に出かけたのは6月の3日だった。開花状況もちょうどよかった気がする。なんせ梅雨も間近だし、これから先の一週間も晴れにはほとんど恵まれそうにない。とにかく、手が空きしだいすぐにでも出かけることにした。

 

 お天気はよく、土曜日の午後ということもあってそれなりの人出があった。開花状況はどんぴしゃだった。おまけに、昨年あまり芳しくなかった入り口近くのゾーンが見事な充実ぶりを見せていた。昨年は、その部分は植え替えたばかりらしく、まだ十分には育っていなかった。そこが、今年はむしろ一番勢いがよかった。そこでは、手入れのおじさんが一本一本さらに磨きをかけていた。

 

 それにしても、ここは初夏の水生植物を楽しむには最適の場所である。元は、山間部の小規模な水田だったと思われる。三方を緑の山に囲まれた谷の背後から、東に向かってせせらぎが流れ、そよ風が静かに通り抜けていく。紫と白を織り交ぜた柔らかな容姿の花々が、私たちの目を優しくいやしてくれる。

 

 ここは、主役の花はもとより、舞台となる大自然が、そして脇役ともいえるせせらぎやそよ風が、訪れる人たちをそっと慰めてくれる。ボタンやバラは見はぐっても、この公園のハナショウブだけは忘れることのないようにしたいものだ。