六月の風


[風を感じ、ときを想う日記](1119)6/13

六月の風

 

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 

 ・・・雨に濡れる紫色の花をながめていたら、こんなフレーズが頭に浮かんでくるかもしれません。「いずれあやめか、かきつばた」。これは、両者ともに優れていて、優劣がつけにくいということを、“アヤメとカキツバタは判別が難しい”ということに例えたものです。

 

 アヤメは乾いた場所、カキツバタハナショウブは水中や湿地に生えます。アヤメには、外花被片(ガイカヒヘン)とよばれる前面に垂れ下がった花びらに文目(アヤメ)模様がありますが、あとの二種には見当たりません。代わりに、これらの外花被片には斑文があります。カキツバタには白の、ハナショウブには黄色の斑紋です。

 

 もし時間があったら、甲乙つけがたい、似て非なるものを探してみてはどうでしょう。・・・

 

 上記には触れていない主なものとしては、開花時期と葉っぱの主脈の違いがある。開花時期は、アヤメが5月上旬から中旬、カキツバタが5月中旬から下旬、ハナショウブは6月上旬から下旬近くまでである。主脈の様相は、アヤメは不明瞭、カキツバタは細小、そしてハナショウブは太くてすぐ分かる。

 

 この機会に、ゆっくりと甲乙をつけてみてはどうだろう。

 

注)写真は、上の4枚がハナショウブ、一番下の1枚だけがアヤメ。