平成最後のどんど祭

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[風を感じ、ときを想う日記](885)1/15
平成最後のどんど祭

 どんど焼きの、冒頭のセレモニーが終わるころを見計らって白旗神社に着いた。よく晴れ上がり、風もなく穏やかな日和だった。そのせいか、境内は人の群れで埋まっていた。多くの人が、縁起物の餅の串刺しを持っている。2メートルくらいの細竹の先に、紅、緑、白の三色に色付けされた丸い餅が刺さっている。みな、それを立てているので、頭の上に三色餅が林立している風情である。

 いよいよ正月飾りの大きな山に火がつけられた。火はたちまち火柱となって赤い炎を天高く吹き上げていった。顔が熱い。遠巻きにしていた人たちは、顔を真っ赤にしてじりじりと後ろへ下がっていく。そのうち、燃え上がった炎は少しずつ弱くなりだした。遠くまで下がっていた人たちが、またそこへ向かってじわじわとにじり寄っていく。それでも熱くてまた下がる。

 やがて、炎は下火になり、手を伸ばせば餅を火のそばまで持っていけるようになった。餅に少しずつ焼き色がつく。突然、細棹の首が折れて餅が火の中に落ちる。消防団の人が素早く拾い上げ、その人に戻してくれる。餅を芯までこんがり焼くなどというのはとても無理な相談である。この神聖な炎や煙に少しでも当てれば、後は自宅で焼き直せば御利益は十分期待できるのではなかろうか。

 われわれが着いたころには、その縁起物の餅はすでに売り切れていた。結局、見る阿呆に徹したが、御利益の分け前は十分いただけたと確信している。