小出川の彼岸花

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[風を感じ、ときを想う日記](297)9/16
小出川彼岸花

 今日は朝からよく晴れ上がり、抜けるような青空が広がっていた。これだけ空気が澄んでいれば、彼岸花のその燃えるような朱の色も、きっと鮮やかに見えるはずである。まだ少し早いのではないかとは思ったが、お天気のことを最優先にいつもの場所まで出かけてみることにした。

 その小出川は、慶応大学藤沢キャンパスのすぐ南側に広がる水田の間を、東西にゆっくりと流れている。川幅はほんの数メートルしかないが、この季節になるとその両岸は3キロにもわたって華やかな花の舞台へと変身する。お天気に恵まれれば、そのステージの背景には富士山さえ望むことができる。

 開花の進みぐあいはまだ5~6分といったところであった。すでに完全に開いたものもあれば、これから芽を伸ばして花を開かせようとしているものもある。全部が咲きそろうと、花の茎が立錐の余地もないほどに生え揃う。しかし、いまはまだ隙間も多く、まばらにさえ見える。それでも、その華やかさにはなんの不自由も感じさせない。

 小出川彼岸花は、地元の人たちが丹精をこめて育てあげ、大切に保護してきたと聞いている。そんな隠れた事情もしっかりと理解できれば、花への愛情もいっそう深まるのではなかろうか。