[風を感じ、ときを想う日記](884)1/2
新年最初の天体ショー
正月二日、朝6時過ぎだった。雨戸を開けると、まだ薄暗い南東の空に、すっかり細くなった有り明けの月と明けの明星が並んできらめいていた。早朝とはいえ、ほかの星たちはすでに姿を隠したあとだけに、二つの天体が寄り添った光景はいっそうまぶしく輝いて見えた。
両端を弓なりに跳ね上げた下弦の月は、月齢二十五の残月である。あと3日もすれば、細い弓はさらに細くなって、朔と呼ばれる闇夜を引き連れてくる。そのすぐ右下に、ひときわ明るく輝いている大きな星は金星である。金星の輝きにも月と同じような満ち欠けがあって、いまが一番明るく見える満月ならぬ「満金」にあたるときのようだ。
真冬の、透き通った雲一つない空である。空気が乾ききって、水分のかけらもない。連休中で、煤煙やちりなどの浮遊物もほとんどない。おまけに、偏西風に乗ってやってくる黄砂や大気汚染物質もまだそれほどでもない。おかげで、空は宇宙の果てまで見通せるのではないかというほど透き通っていた。有明月と明けの明星の出会いを邪魔するものはちり一つとして見当たらなかったのだ。
今日見た現象は偶然の賜物だったようだ。そんな偶然が他にもあるかもしれないと、箱根駅伝を応援するために出かけてみた。おかげで、うららかな天候の下、白熱したレース展開を生で見ることができた。
※写真は、龍神湖から見た元日のダブルダイヤモンド富士(テレビ朝日の画面を撮影)