清明と新しい散歩道

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f:id:yf-fujiwara:20220405143841j:plain[風を感じ、ときを想う日記](1105)4/5

清明と新しい散歩道

 

 今朝までの、まる2日間にわたって降り続いた雨は、明け方近くになってやっと上がってきたようだ。明るくなって雨戸を開けてみたら、空はすっきりと晴れ上がり、朝日がきらきらと輝いていた。二十四節気では、今日から「清明」となるが、その呼び名にふさわしい明るくすがすがしい朝だった。

 

 朝の用事をひととおり済ませると、3日ぶりに近隣へと散歩に出かけた。あれだけ美しかったソメイヨシノが、ピークを大きく過ぎて醜い姿をさらしていた。それに代ってモモの花が最盛期を迎えたようとしている。モモは、枝をまっすぐ伸ばしたもののほか、枝垂れ状に下向きになったものもある。花の色も、ピンクや白の一色だけのほか、二色に咲き分けているものも結構多い。

 

 ふと足下に目をやると、名もない草たちがわれ先にと芽を伸ばし葉っぱを広げようとしている。花壇のチューリップはもちろん美しいが、石垣の割れ目などから伸びてきたタンポポたちも、小さな黄色い花をけなげに咲かせている。その生命力の強さに思わず立ち止まって、きれいだねと声の一つもかけたくなる。

 

 新学期、そして新年度、多くの人たちが新たな舞台へと飛び出す新しい季節の到来である。「新しい酒は新しい革袋に」という諺もある。人間、これだけ古くなると酒も革袋も変えようがないが、せめて散歩道くらい新ルートを開拓し、季節の変化をいち早く察知できる新しい感覚くらい身につけたいものだ。