蝋梅

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[風を感じ、ときを想う日記](553)2/1
蝋梅

 正月明けに実家に帰った。庭では、蝋梅が黄色い花をつけ始めるところだった。隣の家に挨拶に行ったら、こちらはすでに七分咲きになっていた。毎年のことだが、隣家の方がひと足早い。すぐ隣なのに、土壌や日当たり、あるいは風通しなどの条件が微妙に違うのだろう。

 わが家の周辺では、この花はほとんど見かけることがない。唯一、近所の園芸用ハウスの脇に一株あったが、再開発の波にのまれて2年前に姿を消した。そんな折、初めて足を向けた散歩先で偶然その花をみつけた。きれいに整えられたその枝先が、邸宅の塀越しに大きく張り出していた。

 今年も、そのお宅のほかに当てはなかった。ある晴れた日、期待を込めてそちらに出かけてみた。花は見事に盛りを迎えていた。抜けるような青い空に、黄色い花が浮き出てみえる。蝋のようだと形容されるその花びらは、しかし決してロウのような冷たい印象は持ち合わせていなかった。

 この季節、木に咲く花といえばサザンカくらいしか見当たらない。せっかくもらった赤い色なのに、寒空の中にどこか寂しく物悲しさえ感じさせる。それに引きかえ、蝋梅の黄色い花は明るく艶やかでどこまでも前向きである。

 黄色は幸せを呼ぶ色といわれる。蝋梅を、寒空に咲くしあわせの花として、これまで以上に慈しみ愛でていきたいものだ。