遊行寺の豆まき

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[風を感じ、ときを想う日記](554)2/3
遊行寺の豆まき

 時宗の総本山、遊行寺は、自宅から徒歩30分あまりのところにある。そこに着いたのは、昼過ぎの1時20分ごろだった。案内では1時からとなっているが、本堂内で一連のセレモニーが行われ、実際に始まるのはその30分くらい後になる。いつものことなのでそれを見越して出向いた。その辺の読みはよかったが、舞台の前はすでに大勢の人で埋まっていた。

 その舞台に、僧侶を始め門徒代表やスポンサーなどが勢揃いした。やっと豆まきが始まった。豆まきといっても、豆をそのまま撒くのではなく、10粒くらい入った小さな袋を群衆に向かって放り投げるのだ。袋の中には、豪華景品の引換券が入っていることもある。豆だけでなく家電製品なども当たるとなると、拾う方も本気にならざるをえない。

 ところが、袋の大きさに比べ中身が軽いせいか、なかなか遠くまでは飛んでいかない。舞台から離れている私のところには、10個に1個も届いてこなかった。群衆は両手を挙げながら少しずつ舞台めがけて詰め寄っていった。突然、目の前の人が前方につんのめった。私も、周りの人を巻き込みながらその上に倒れ込んだ。結局20人ばかりが将棋倒しになった。

 やっと起きあがり、懸命に豆拾いの体勢を立て直した。舞台に向き直ると、しかし豆まきは終わり、僧侶たちは後片づけをしているところだった。