ポトス

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[エッセイ 489]
ポトス

 いま、ポトスの新しい株を育成中だ。ガラス瓶で発根させた茎7~8本を鉢に植え替え、大きく成長するよう朝晩見守っている。例年なら、鉢に簡単に根付き、いまごろはどんどん伸びているはずなのに、今年はなぜか根付きが悪く私たちをやきもきさせている。植え替える時期が悪かったのか、あるいはその方法に工夫が足りなかったのだろうか。

 わが家では、室内のインテリアとしてポトスの鉢を2つ窓際に置いている。活きいきとした緑の葉っぱに白い模様がアクセントになって、室内の雰囲気をずいぶん和らげてくれている。以前はホンコンカボクの鉢も置いていたが、インテリアとしての効果より邪魔になる方が先に立ってとうとう処分してしまった。

 わが家のポトスの鉢は、新しいものと古いものの2種類が混ざっている。意識的にそうしているのだ。その2つを2年の間隔で世代交代させている。挿し木によって新しい鉢を作ると、2年くらいで根元に近い部分の葉っぱが枯れてくる。また、茎も伸びすぎて全体の形が崩れ、醜くさえなってくる。やはり、2年くらいのサイクルがインテリアとして適当なようだ。

 春も半ばになると、古い鉢から挿木用の茎を7~8本切り取り、ガラス瓶に生けておく。すると、節の部分から根が伸びてくる。それを新しい鉢に植え替えてやる。新しい茎は、夏に向けてぐんぐん伸び、形も整ってくる。私たちはその勢いに大いに元気づけられる。古くなった鉢は、お礼をいって卒業させる。

 ポトスは、サトイモの仲間で、ハブカズラ属という種類だそうだ。原産は東南アジアの熱帯雨林だという。そのため、高温多湿に強く、逆に低温で乾燥には弱いようだ。冬は、暖房の効いた部屋で大切に育て、摂氏8度以下にはならないようとくに注意が必要だという。

 ポトスは日光を好むが、直射日光には弱く、その50%くらいの日当たりが適当なようだ。反面、熱帯雨林が原産だけに、耐陰性には優れているという。結局、両方の条件を満たそうとすると、レースのカーテンが引かれた窓際あたりが一番いいのかもしれない。花は10年に一度くらい咲くそうだが、わが家では未だそれにお目にかかったことはない。

 そんなことから、繁殖はもっぱら挿し木が一般的なようだ。その植え付けは、5月から8月が適当だという。多湿を好むわりに根腐れが心配されることから、水のやり過ぎに注意が必要なようだ。表面の土が乾いてきたら水を少しやる程度がよさそうだ。肥料もあまり必要ないという。
 
 いま、新しい株をなんとか立派に育て上げようと苦闘中である。あの、艶々とした緑の葉っぱが窓際いっぱいに広がることを期待しつつ・・。
(2018年7月14日)