冬の足音

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[風を感じ、ときを想う日記](931)11/6

冬の足音


 今朝は結構冷えた。二階の窓からのぞむ一階の金属のひさしは、朝露でじっとりと濡れていた。そういえば、あと二つも寝れば立冬となる。台風で大騒ぎしているうちに、いつのまにか秋も深まり、冬支度の季節になっていた。


 空が高くなり、晴天が続くようになると、あちこちから菊の便りが聞こえてくる。わが家に一番馴染みのあるのは、畑一面に育てられたザル菊の集団である。ザルを伏せたような、赤、黄、白、三色の菊がきれいに並べて植えられている。さる篤志家が、近隣の人を楽しませようと丹精込めて育てたものである。


 窓の外を見れば、サルスベリの葉っぱが散って細い枝がむき出しになっていた。お天気もいいことなので、脚立を出してそれらをきれいさっぱりと切り落としてやった。あとには、大きい枝たちだけがその先端をたんこぶのように膨らませて残った。来春、その部分からまた新しい枝が芽吹くはずである。


 季節外れに芽生えた朝顔が、立冬を前にいよいよフィナーレを迎えようとしている。寒さが増すとともに、つるだけが伸びて葉っぱが出なくなってきた。それでも、蕾だけはその節々に付けていた。つるの成長もいつの間にか止まり、一番上に付いたつぼみが、今日最後の花を咲かせた。数えてみたら十番目だった。


 わが家の周りでは、このような他愛ない出来事とともに秋が深まり、これからいよいよ冬本番を迎えようとしているところである。