五月の風

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[風を感じ、ときを想う日記](853)5/12
五月の風

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。
 
 ・・・5月の別名はさつき、その皐月に、ツツジよりおよそ1カ月遅れて咲くのがサツキです。こういうと、ツツジとは別の種類のように聞こえますが、サツキはツツジの一種です。

 サツキは、葉っぱが堅く光沢があり、そこに生えた細かい毛は茶色をしている。サツキは、葉っぱが出たあと、一週間くらいの時間をかけて順次開花する。そして、枝先にはたいてい一つだけ花をつける。など、ツツジとは違う個性的な特徴をもっています。

 サツキは、山奥の岩の隙間や谷川の崖が故郷です。その厳しい環境が幸いしたのでしょうか、サツキには盆栽という晴れの舞台が用意され、世界中で愛されるようになりました。幼少期、厳しい環境を余儀なくされてきた私たちとどこか通じあうものがあるようですね。・・・

 サツキには盆栽という晴れの舞台が用意されているといったが、その盆栽の実態は山奥よりもっと厳しいかもしれない。人間の好みによって、針金で無理矢理折り曲げられたり、はさみで切り刻まれたりしている。住みよい環境で自由に生きられるといったレベルからは真反対の位置に置かれているといっていい。

 自然なままの、延び延びとした姿の庭木もあってもいいのではなかろうか。