二十四節気

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[エッセイ 479]
二十四節気

 今日とこれからの半月間は、二十四節気でいう「小寒」に当たる。その次には「大寒」も控えており、寒さもいよいよ本格的になると予言されているようだ。たしかに、大寒の次は「立春」、「雨水」、「啓蟄」そして「春分」と続き、もう少し頑張っていれば、春は確実にやってくると予告されているようである。この節気は、半月を単位に、季節の移り変わりを実によく言い表わしている。

 二十四節気という一年を24等分した季節の区分法は、古代の中国で考案され長く使われてきたものである。それまでの月の動きを元にした太陰太陽暦では、1年の日数は4種類もあった。12カ月ある平年では354日と355日、13カ月の閏年では383日と384日である。これでは、季節の変遷とうまくマッチせず、農業など自然相手の生活には使い勝手が悪かった。

 そこで考案されたのが、太陽の動きに連動したこの季節区分法である。まず、冬至夏至(あわせて二至という)、春分秋分(あわせて二分という)の4つの区分点を定め、一年を四等分する。二至二分(にしにぶん)の、それぞれの中間点を立春立夏立秋立冬(あわせて四立という)とし、さらに二つずつに分ける。1年を、これら二至二分と四立(しりゅう)で区切ると、8つに区分けされることになる。

 1年は12カ月とするのが好都合なので、さらに細分化するために、二至二分と四立を合算した8と月数の12の最小公倍数である24で区分けした。その結果、春分の先は「清明」、「穀雨」、「立夏」、「小満」、「芒種」、「夏至」、「小暑」、「大暑」、「立秋」、「処暑」、「白露」、「秋分」、「寒露」、「霜降」、「立冬」、「小雪」、「大雪」「冬至」そして今度の小寒へと繋がっていくことになる。

 太陽暦では、二十四節気は月に2回現れることになる。月の最初に現れる節気をまとめて「正節」といい、後から出てくるそれらをまとめて「中気」という。冬至太陽暦の元旦との間には10日近いずれがあるので、それらの期間は具体的な月日で言い表さなければならないのがちょっと面倒である。

 二十四節気の個々の呼び名は、中国の季節を元に付けられているので、日本の平均的な季節感とは少しずれがあるようだ。それでも、二十四節気は日本の生活に深く根ざしているように思える。たとえば、立春の次に登場する雨水は、「雪が雨に変わり雪解けが始まる。草木が芽吹き始め、農耕の準備を始める目安とされる時節である」というような説明がぴたりと当てはまる。

 二十四節気の中には、「芒種」などというあまりなじみのない呼称もある。それでも、「明日は立春です!」などといわれるとなんだか本当に春がやってきたという感覚に襲われるから不思議である。
(2018年1月5日)