寒の底

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[風を感じ、ときを想う日記](238)1/19
寒の底

 このところ、日差しがずいぶん明るくなってきた。そのはずである。日照時間は、冬至のときより25分近くも伸びているのだ。この長くなった時間、実はそのすべてが日没時刻の繰り下がりによるものである。日の出時刻はいまだ冬至のときのまま、夜明けはちっとも早くなっていないのだ。

 暦の上では、明日は一年で一番寒い日に当たる。明日とそれからの半月間は、二十四節気でいう大寒である。小寒から大寒にかけての一ヵ月間を寒の内といい、寒さが底を這う時期である。大寒はそのうちでも最も低い部分にあたる。

 それでも、小寒に入ったあたりから早春を予感させる花たちが次々と開きはじめた。紅梅、白梅、蝋梅(ロウバイ)、そして椿。木蓮のつぼみも日ごとそのふくらみを感じさせるようになってきた。目を足元に転じれば、水仙や気の早い菜の花が黄色い声で自己主張を始めている。

 これからは、日の出時刻もどんどん繰り上がっていく。日に日に日照時間が延び、あと半月もすれば立春がやってくる。その前夜を節分といい、冬から春への節目のときとしてお祝いする。

 スーパーには、早くも鬼の面や豆まき用の大豆が並べられている。一年で一番寒い時期に突入したとはいっても、春はもう目の前である。