十三夜

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[風を感じ、ときを想う日記](821)11/2
十三夜

 昨夜は十三夜、久しぶりにお目にかかることのできる美しいお月さまだった。♪岸の柳の行きずりに ふと見合わせる顔と顔 ・・・ 青い月夜の 十三夜♪こんな歌が、つい口をついて出てくる。年齢など隠しようもない古い歌である。

 なんせ、十月は雨ばかり、中秋の名月はおろか星空さえまともに見られたことはない。台風22号が去って、やっと秋雨前線から解放された。テレビ画面は、ハロウィンの賑わいから十三夜の名月へと代わった。

 さっそく、名月を写真に納めようと外に出た。しかし、悲しいかな、手持ちの小型カメラではぼんやりと月影らしいものが写るだけ、まるで絵にはならない。ここは、どうしても添え物の助けを借りなければなるまい。

 ススキを探して夜道を徘徊した。しかし、当てにしていた空き地の草は、きれいに刈り取られて丸裸になっていた。やっとアスファルトの隙間に一株を見つけた。悪いとは思ったが、そのうちの3本だけ抜き取って自宅に持ち帰った。

 十三夜の月は、十五夜の月に次いで美しいといわれている。中秋の名月を愛でたら、十三夜の月も堪能しなければならない。片方だけの「片見月」は縁起が悪いとさえいわれている。しかし、十五夜の満月は雨に邪魔されてだめだった。

 ここは、ススキの助けを借りて「後の名月」を堪能させてもらうことで、お許しいただくことにした。