十四夜

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[風を感じ、ときを想う日記](465)10/10
十四夜

 昨夜は、「十三夜」に当たることから、昼間から月の出を楽しみに待っていた。ところが、空模様はだんだん怪しくなり、月の出る頃には雨が降り出した。
 
 旧暦9月の月は、十三夜がベストといわれている。しかし、見逃してしまったら、1日遅れの「十四夜」でも仕方あるまい。満ちたら欠けるが道理。物事なんでも満ちる手前が好ましい。十四夜は満月の一歩手前であり、これから先に大きな希望が持てる。

 今年は、旧暦8月の中秋の名月が見事だった。しかし、中秋の名月を堪能したら、旧暦9月の十三夜を愛でなければならない。中秋の名月だけ眺めて、十三夜を観ないのは「片見月」といって縁起が悪いのだという。

 もっとも、十三夜の月見は日本独自のものだ。栗名月といって宮中で観月したのが始まりで、栗や豆をお供えして月を愛でたという。片見月は縁起が悪い云々は、あとからつけたもっともらしいこじつけのようだ。

 季節は、この時期こそ月見にふさわしい。新暦と旧暦では、年によって大きなずれが生じることがある。今年のススキはいまが見ごろ、十四夜の今夜こそ観月に最もふさわしい夜になるだろう。

 「♪河岸の柳の 行きずりに ふと見合わせる・・青い月夜の 十三夜♪」。私と同世代以上なら、必ず口ずさめるはずだ。