ザルギク

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[風を感じ、ときを想う日記](723)11/4
ザルギク

10月も終わりに近いある日、川沿いの花畑で小さな菊の花を見つけた。コスモスもあらかた終わり、秋の花の端境期に入ったところなので、この日は新たな希望に遭遇した思いであった。

 そういえば、毎年楽しみにしているザルギクも、ぼつぼつ見ごろを迎える頃ではなかろうか。普段、あまり訪れることのない場所なので、今年も菊が植えられているか心配だったが、とにかくそこに行ってみることにした。

 あった。例年通り、ザルギクが整然と植えられ、開花の具合もこれからが見ごろという絶好のタイミングだった。花は、赤、白、黄色の3種類があるが、開花の状況は色によって多少の違いがある。ほぼ満開なのが黄色、少しまだら気味なのが白、そして北側半分だけ開いているのが赤であった。その赤に限っては、開花している部分とそうでないところがはっきりと分かれていた。

 ここは宅地として整備された場所である。しかし、およそ半世紀が経ってもいまだ畑としてしか利用されていない。マンションなら、2棟くらいは建てられそうな広さである。そこに、10年近く前から毎年ザルギクが植えられ、近所の人を楽しませてくれるようになった。

 花を咲かせるまでには大変な苦労があったと思うが、見る人からは見返りは一切要求していない。ご奇特なオーナーには、ただただ感謝するばかりである。