[風を感じ、ときを想う日記](571)5/9
五月の光
今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。なお、年度も改まっているので、この項のタイトルは4月から「○月の光」としている。
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春先に現れた木々の新芽たちは、日ごとその緑の色を濃くし、雑木林に賑わいを呼び戻そうとしています。雨後の竹やぶでは、タケノコが天に向かって勢いよく伸び、命の鎖をつないでいこうとしています。
この季節、あらゆるものが成長の過程から充実の段階へと入っていきます。そして、やがて訪れる実りの季節へと蓄積を重ねていくはずです。
人は、歳とともに蓄えた知識や経験、果ては体力まで吐き出してしまうのが普通です。私たちの生活も、減る一方の乾電池型から、使いながら充電できる蓄電池型に転換できれば、一そう充実した日々を送れるのではないでしょうか。
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そういえば、大型連休に入ったあたりから紫色の美しい花を見かけるようになった。垣根やほかの樹木などに巻きついて咲くつる性の草花である。
クレマチスと呼ばれ、キンポウゲ科に属するそうだ。時計草と間違えられそうだが、こちらはトケイソウ科で花はより複雑な形をしている。