冬の到来

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[風を感じ、ときを想う日記](216)11/7
冬の到来

 朝、目覚めたときは小雨だった。朝食のころ、その雨粒は目には見えないくらいになっていた。これなら傘はいらない。そう思いつつ、結局カバンに入れて持ち歩いてしまった。昼の帰宅時には晴れ間ものぞき、傘はすっかり無用の長物になっていた。

 今日とこれからの半月間は、二十四節気でいう立冬にあたる。太陽の位置が低くなり、それにつれて日の光も随分弱くなってきた。そういえば、北国では今日は吹雪になるかもしれないと伝えられている。多少のばらつきはあっても、季節は確実に冬に向かって進んでいるようだ。

 それにしても穏やかな立冬である。とても冬が来たとは思えない。こんな明るい日差しなら、写真もきれいに撮れるだろう。老人福祉センターでは、お年寄りたちが丹精込めて菊を作っているという。デジカメ片手に、片道20分のところを出かけてみた。

 作品は、素人が見てもアマチュアのものとすぐにわかった。それでも、手がけた人たちの心の温かさは十分すぎるほど伝わってくる。菊たちは、初冬の穏やかな日差しを浴びて一生懸命輝いてみせる。自然の美しさが、造形美を凌駕する典型的な例かもしれない。

 汗を滲ませての帰り道、今度はピンクのサザンカがやさしく語りかけてきた。