ナマコと酢橙

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](492)2/26
ナマコと酢橙

 お土産にいただいたのは、ナマコとスダイダイ、それにほうじ茶だった。ナマコは内臓を抜き、食べやすい大きさに調理してあった。それにおろし大根を添え、スダイダイの酢をたっぷりとかける。スダイダイは、包丁を入れた瞬間、あたりに芳香が広がり、舌の裏から酸っぱい唾液が滲み出してくる。

 そんな作業の一方で、茶粥の支度を始める。ほうじ茶を煮立て、そこに生米を投入する。やがて、台所いっぱいに甘い香りが満ちてくる。ナマコの酢のものに沢庵でもあれば、茶粥は何杯でもいただける。その茶粥が出来上がるまで、なんとももどかしく待ち遠しい。

 今夜の夕食はこんなふうになるのだろう。昨日のたちばな会でお土産をいただいたとき、帰宅後の光景をこんなふうにイメージしていた。ところがその後、打ち合わせが二つ入り、帰宅は9時近くになってしまった。そんなことから、空想していたふる里を味あうシーンは、一日繰り延べされることになった。

 例年この時期に催されるたちばな会総会は、昨日の土曜日、昼過ぎから四谷駅前のホテルで華やかにひらかれた。ふる里からは、町長をはじめ数人の幹部がかけつけてくれた。私も、ゲストのはしくれに加えていただき、帰りにはふる里のかおりがいっぱい詰まったお土産をいただいた。

 そして今夜、そのナマコとスダイダイはおいしくいただくことができた。