セリ

[風を感じ、ときを想う日記](1246)3/22

セリ

 

 知人の紹介で、今度はセリに出会うことができた。一ヵ月前のフキノトウ同様、春の新芽を楽しませてくれる植物である。あの強い香りを最大限に活かすには、なるべく手をかけない方がいいだろうと、調理方法は“おひたし”を選んだ。サッと茹でて絞り、カツオブシとめんつゆでいただくことにした。

 

 「うまい」と、思わず叫んでしまったほど美味だった。あの独特の香りと味を楽しむには、なるべく生に近い状態がいいだろうと考えたのだが、それが大正解だった。カツオブシも香りが強いので、両者がバッティングしてしまうかと心配したが、結果的にはお互いが長所を引き出しあった印象すらあった。さらには、塩味は醤油では味が濃すぎるだろうと、メンツユにしたのもよかった。脇役は、あくまでも控えめでなければならないようだ。

 

 セリ(芹)は日本が原産だそうだ。湿地でよく見かける植物である。その名のとおり、ほかの植物と競り合って成長していくことからそう名付けられたそうだ。きわめてバイタリティーに富んだ生きものであるといえよう。その勢いが、あの独特の香りと味を生み出しているといえよう。

 

 今日もスーパーに買い物に出かけた。今回は、野菜売り場は素通りし、魚売り場に直行した。新鮮なアジが入荷したと聞いたからだ。冷蔵庫の、葉っぱ付きの大根をいろいろ味わってみたかったからでもある。