[風を感じ、ときを想う日記](1236)2/18
フキノトウ
知り合いからフキノトウをたくさんいただいた。なんでも、郊外を散策中に足下にたくさん芽吹いていたのだそうだ。梅が咲き、河津桜が開花しはじめてからというもの、上空ばかり見上げて歩いていたが、足下にも確実に春がやってきていたのだ。
この日の夕食は、いただいた新芽を中心に、春の野菜でまとめてもらうことにした。メインディッシュは、そのフキノトウを主役に、サツマイモ、オクラ、そしてニンジンを脇役とした野菜の天ぷらである。さらには、箸休めとして“ふきのとうみそ”を作ってもらった。サツマイモの白、ニンジンの赤、そしてオクラとフキノトウの濃い緑と、香りばかりか彩りもきわめて豊かである。
この日の主役を担わせることになったフキノトウは、天ぷらにすると一段と風味が豊かになる。もちろん、さくさくとした歯触りも申し分ない。そしてなにより、あの苦味とふくよかなかおりが春の到来を実感させてくれる。
春は、いろいろな草木の新芽が楽しめる。ウド、コゴミ、セリ、ゼンマイ、タラの芽、ツクシ、ノビル、ワラビ、そして最後に登場するのが大物のタケノコである。ことに、春の遅い北国の人たちはこれらの新芽を大切にするそうだ。なんと、ゴルフのプレー中までそれを探し求める人たちがいたという。
昨夜のフキノトウ料理のお陰で、また一段と寿命が延びたようだ。