十二月の風

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[風を感じ、ときを想う日記](824)12/10
十二月の風

 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 ・・・第九を聴かないと年が越せない、などというのが最近の年末の風潮のようです。ところが、その曲と年の瀬を結びつける根拠はどこにもないそうです。どうやら、楽団員の年越し資金をひねり出すために、最も稼ぎになる第九を年末に演奏するようになったようです。

 交響曲第9番は、1824年に発表されたベートーヴェン最後の交響曲です。独唱や混声合唱まで取り入れた、それまでの交響曲の常識を破る大胆な試みが沢山盛り込まれた野心作です。合唱付きというので、曲全体に合唱が入ると勘違いする人がいるかもしれませんが、合唱部分は、通しで約67分かかる内の最後の17分間だけです。それはともかく、珈琲でも用意して、第九を聴きながら忙しい年末をゆったりと過ごしてみてはどうでしょう。・・・

 最初に、第九についてのエッセーを書いたのは10年前だった。年末の第九熱が頂点に達していたころだった。その後少しずつ落ち着いてきてはいるようだが最近はどうなっているだろうと、ネットで検索してみた。「第九公演チケット情報」で取り上げられている有料のコンサートだけで41件あった。

 大阪では、大阪城ホールでの1万人の大合唱も成功したようだ。第九は、いまも楽団員の越年資金の積み増しに十分貢献しているようだ。