お彼岸

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](787)3/19
お彼岸

 昨日、今日と、本格的な春の到来を感じさせる陽気になった。あと一週間もすれば、さくらの便りが聞かれるようになるともいう。彼岸の中日には一日早いが、今日は特別の予定もなくお天気もいいことなのでお墓参りに出かけることにした。私たちは、白モクレンの輝く並木道を市営墓地へと向かった。

 幹線道路からその共同墓地に入る右折レーンは激しい混雑が予想されることから、わざわざ遠回りの左折で進入できるルートを辿った。しかし、早い時間帯だったせいか、どちらのルートも比較的空いていた。ところが、墓苑内の周回道路は無法駐車でいっぱいで、通り抜けるにも難儀した。

 我が家の周りのお墓は、すでにきれいに清掃され、立派なお花で飾られていた。私たちは、近くに住んでいることからお参りする機会も多いが、あらためて心を込めてあたりを清めた。最後に、用意してきたお花とお線香を供えて、両親や兄弟、そしてご先祖さまたちに思いをはせた。

 お参りを済ませ、あらためて周りを見渡してみた。長い間放置されたままになっているお墓があちこちにあった。草や木が伸び放題になっている。石の隅には枯れ葉がうずたかく積もっている。親族が遠方に住んでいて手が回らないのだろうか。あるいは、子孫が絶えて無縁墓になってしまったのだろうか。

 ふとみると、つくしんぼうが数本、その墓石の間から顔を出していた。