新世代のふるさと

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[風を感じ、ときを想う日記](710)8/17
新世代のふるさと

 お盆の間、近所のスーパーは普段より混み合っていた。客層も、ジジ、ババと若夫婦、それに子供若干名といったグループが目についた。いつもは、ババ一人で出かけることが多いのだから、様相が一変するのも当たり前である。来店者がこんなにまとまっていても、レジで精算するのは一人にちがいない。客の増えた割には、売上は上がっていないかもしれない。

 かつて、このあたりは、お盆にはみなふるさとやレジャーに出かけて閑散としていた。とくに子供の数は極端に少なくなっていた。お盆の期間中に、町内で夏祭りをやっても人が集まらない。やるならその期間は避けるべきだというのが常識だった。

 それが、歳月の経過とともに少しずつ様変わりしていった。かつては、お盆になると人の数が大きく減っていたが、逆に近頃は増えてにぎやかになるようになった。ここから巣立っていった若者たちが、この季節になると家族を連れて里帰りするようになったのだ。

 ここは、私たちの世代にとっては、故郷から遠く離れた新天地だった。お盆には、生まれ故郷へと抜け出していくところだった。ところが、次の世代にとって、ここはお盆に帰ってくるべきふるさととなった。不動と思われていたふるさとも、時代とともに大きく動いているようだ。