河津桜の季節

イメージ 1

[風を感じ、ときを想う日記](682)3/6
河津桜の季節

 いま、河津桜が満開になり、その本場・河津には多くの見物客が押し掛けているという。河津川の土手に植えられた濃いピンクの桜は、足元の黄色い菜の花とともに見事なコラボレーションを演出する。まだ寒いうちに、梅と競うように咲く早春の桜は、私たちに新たな勇気さえ与えてくれているようだ。

 私たちも、10年くらい続けてそこに見物に出かけた。さすがに飽きがきたということだろうか、ここ数年は行先を他所に変更している。つい先年には、そこを通り過ぎて、伊豆半島最先端の石廊崎に近い青野川にまで足を伸ばした。そして昨年は、東名高速を見下ろす大井松田の桜の園を見物に出かけた。

 河津でしか見られなかった河津桜が、全国各地への普及が進み本場まで行かなくても、居ながらにしてそのピンクの花を楽しめるようになった。苗がどんどん増産され、津々浦々に届けられるようになったのだ。なんと、そこから直線で6百キロも離れた私の故郷にさえ、河津桜の名所ができたという。

 近所でも徒歩10分以内のところに4箇所もかためて植えられているところがある。20分も歩けば、引地川沿いには桜並木まで形成されつつある。もちろん本数は少なく、木も小ぶりではあるが、近寄ってみるかぎり本場のそれと大差はない。むしろあたりが静かな分、ゆっくりと観賞できることになる。

 桜が年に二度も楽しめるとは、有難くも嬉しい時代がやってきたものだ。