十二月の風

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[風を感じ、ときを想う日記](672)12/11
十二月の風

 
 今月の「ゆうゆう通信」には、巻頭の挨拶として次のような小文を載せた。

 ・・・忘年会の、いまのようなスタイルが生まれたのは、明治に入ってからのようです。中央官僚たちに暮れのボーナスが出たとき、そろって飲み会に出かけたのが始まりのようです。

 目を国外に転じると、中国には年夜飯、台湾には尾牙、そして韓国には送年会という忘年会によく似た年末の宴会があるようです。しかし、こうした宗教行事とはあまり関係のない宴会は、東アジアを除くその他の地域ではほとんど例を見ないということです。

 現役を退いた私たちには、そんなバカ騒ぎからは少し距離ができたようです。それでも、家族だけででも、もう一度忘年会を復活させてみてはどうでしょう。どうせ、羽目を外せる甲斐性など残ってはいないはずです。反対に、5年くらい寿命が伸びるかもしれません。・・・

 忘年会といえば、12月の後半、それも仕事帰りに開かれるのが通例である。飲み、歌い、しゃべる。日ごろのうっぷんを一気に晴らすように、酒にかこつけて無礼講が許されるのが建前である。そうはいっても、そこにはおのずから節度が求められるのも、また日本社会の悲しい現実である。

 しかし、高齢者には節度を求める必要がないのもまた寂しい現実である。