まつだ桜まつり

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[風を感じ、ときを想う日記](626)3/10
まつだ桜まつり

 東名を御殿場方面に向かうと、大井松田を過ぎるとすぐ右手、山の斜面に円筒形の塔が見えてくる。普段は何の変哲もないところだが、この季節になるとその辺り一帯はピンクに染まる。まつだ桜まつりの会場である。

 ここ、松田山ハーブガーデンには十数年前に一度訪れたことがある。もちろん、桜ではなくハーブ園を見学するためだった。季節も異なってはいたが、ここが後に桜の名所になろうとは思ってもみなかった。ただ、その高台から眺める富士山の雄姿と眼下の絶景だけが強く印象に残っている。

 毎年この季節になると、湯河原の幕山梅林と河津の河津桜をセットで見物に出かけていた。しかし、わが家のそのイベントも十回を超えると少々飽きがくる。そこで、趣向を変えて出かけたのが松田の「まつだ桜まつり」だった。

 遠目には、限られた狭い場所に少ししか植えられていないように見えたが、現地に足を踏み入れてみると実に見事だった。聞くところによると、河津桜は全部で260本あるという。前回のときは気づかないほどの小木だったが、いまでは立派に成長し見事な桜の園を演出している。

 日本の先進技術が新興国に移転され、やがて日本の強力な競争相手へと育っていく。河津で生まれた桜の幼木は、異郷の地で見事に育ち、育て親を生まれ故郷の強かなライバルへと押し上げる。これもまた恩返しというのだろうか。