遅咲きの梅と早咲きの桜

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[風を感じ、ときを想う日記](625)3/5
遅咲きの梅と早咲きの桜

 わが家には二本の梅の木がある。よく実をつける豊後梅、そして白とピンクの二色に咲き分ける“思いのまま”である。いずれも遅咲きといっていい。よそさまが終わったころ、やっと見ごろを迎える。その彼女たちは、いまそろって二分咲きまでこぎつけ、朝からの冷たい雨に身を縮めている。

 豊後梅は大きな実をたくさんつけるが花も賑やかである。わが家に来た年は、桜と見まがうばかりにたくさんの花をつけていた。枝を大きく切り落とす前だった。その夏、植木屋が庭木にふさわしい形に整えてくれた。それからは、花は観賞にふさわしく、実も程よく育つ量に落ち着いた。

 一方の思いのままは、当初あまり花の付きはよくなかった。それが、剪定を繰り返しているうちに貫禄がつき、花もたくさん咲くようになった。もう十年も前だが、一度だけそれも一個だけ実をつけたことがあった。思いのままの名のとおり、たまには花も実もあるところを見せてくれてもいいはずだが・・。

 そしてこの時期、にわかににぎやかになってきたのが河津桜たちである。以前はまだ幼木で、申し訳程度にしか花をつけていなかった。それがここ数年すっかり大きくなり、見ごたえのある桜並木へと育ってきた。

 杉花粉の飛び散るこの時期、わざわざ伊豆まで行かなくても、あの濃いピンクの花をたっぷりと愛でることができるようになった。