歓そして悲

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[風を感じ、ときを想う日記](599)10/2
歓そして悲

 悲喜こもごもの出来事が、週末から週明けにかけて3日間も続いた。

 先月最終の土曜日、高校の同窓会が新宿の京王プラザで開かれた。会場に着くと、同窓生でもある郷里の町長、さらには県会議長までがすでに到着していた。議長は、東京国体に参加する郷里の県選手団の支援団長として上京したのだそうだ。ちょっと時間があったので立ち寄ったということだった。

 実は、県会議長はわが家の菩提寺の住職でもある。その住職が、私の顔を見るなり、「あなたの叔母が亡くなった、明後日葬儀の予定だ」と教えてくれた。葬儀のことがあるので、住職には真っ先に連絡が行ったようだ。従兄弟からは、それから間もなくしてわが家に電話が入った。

 先月の最終日曜日、葬儀のための帰省を翌日に控えてはいたが、わが街の市民祭りが開かれるというので見物に出かけた。懐かしい顔ぶれがそろった同窓会も、お神輿の大パレードが華やかに展開された市民祭りも実に楽しかった。しかし、心のどこかに引っかかるものがあったのはけだし当然である。

 そして翌月曜日、従兄弟の住む広島の葬儀場で、久しぶりに叔母と対面した。多少やつれてはいたが、94歳とは思えないほどきれいだった。戦後の何十年にも及ぶ苦労は、その顔に少しも現れてはいなかった。

 そのまま郷里に足を伸ばし、その夜は実家のすぐそばで宿を取った。