葉さくら祭り

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[風を感じ、ときを想う日記](564)4/7
葉さくら祭り

 近くの老人センターで、春の祭典“さくら祭”が行われていた。取り立てて予定もないので家内と出かけてみることにした。普段活動している各種サークルの発表会のようなものだった。模擬店や作品の即売会も行われ、大広間では演芸も披露された。こちらは学芸会の高齢者版といったところだが目玉も用意されていた。プロの歌手が出演するのだ。私たちはそれが目当てだった。

 もちろん、予算の都合もあるので、それなりの人選になるのはやむをえない。今回は、井上まりこというかなり高齢の女性の歌手だった。自己紹介で、自分を知っている人はいないはずだといっていたが、確かにそれを否定する客はいなかった。ただ、歌はうまかった。美空ひばりのものまねも日本舞踊も見事にこなし舞台を盛り上げていた。出遅れてはいるが隠れた逸材の一人だろう。

 平年なら、さくら祭りにふさわしく、ソメイヨシノが見事に咲きそろい祭典を盛り上げているはずだった。しかし、今年はすでに葉さくらとなり、八重桜やつつじたちに主役の座を取って代わられていた。おまけに、前夜からの強風が吹き荒れ、前庭でのテント設営や催しものは大幅な制約を受けていた。

 散歩がてら、退屈しのぎに出かけたといえばみなさんに失礼になるが、足を運んでみればそれなりの楽しさは味あうことができる。関係者の苦心の跡が垣間見られただけでも、高齢者にとっては心の潤いになったはずである。